五木 ひろし
よこはまたそがれ
- 作曲: 平尾 昌晃

よこはまたそがれ - 楽譜サンプル
よこはまたそがれ|歌詞の意味と歴史
基本情報
「よこはまたそがれ」(一般的表記:横浜たそがれ)は、平尾昌晃作曲・山口洋子作詞、1971年に五木ひろしが発表した歌謡曲。洗練された編曲と都会的な哀愁が支持され、五木ひろしの出世作として大ヒットした。舞台は港町・横浜。別れの余韻を抱く大人のラブソングである。
歌詞のテーマと意味
黄昏の横浜を歩く主人公が、過ぎた恋を思い返しながら夜の灯りに身を委ねる姿を描く。地名やバー、ネオンといった都市のディテールが未練と孤独を映し出し、喪失の痛みを静かに浮き彫りにする。直接的な嘆きではなく景色の描写で感情を伝える点が核で、余白の多い言葉が聴き手の想像を誘う。
歴史的背景
1971年当時、歌謡界は都市的情緒と演歌的情念の融合が進行。平尾昌晃は覚えやすい旋律と端正な構成でモダンな歌謡を提示し、山口洋子は都会人の孤独や男女の機微を鋭く言語化した。本作はその美点が横浜という象徴的ロケーションと結びつき、普遍性を備えた失恋歌へと結実した。
有名な演奏・映画での使用
初演は五木ひろし。以降、多くの歌手がコンサートやテレビ歌番組で取り上げ、世代を超えて歌い継がれる。ジャズ風やアコースティックなど多彩な編曲のカバーもあり、カラオケ定番曲としての存在感も強い。映画・ドラマでの具体的使用は情報不明。
現代における評価と影響
昭和歌謡を代表する“都会の黄昏”ソングとして定着し、港町を題材にした後続曲の参照点ともなった。印象的なサビの旋律線と、語りと歌いの境界を往還する歌唱は、現在のシンガーにも研究される。地域イベントや観光PRでの活用例も見られ、横浜イメージの音楽的アイコンとして認知される。
まとめ
黄昏の街に失恋の感情を重ねた物語性と、端正なメロディが融合した不朽の歌謡曲。具体描写と余白のバランスが秀逸で、時代を超えて共感を呼ぶ。平尾昌晃と山口洋子の結晶であり、五木ひろしの代表曲として今なお歌い継がれている。