Margie
- 作曲: CONRAD CON,ROBINSON J RUSSEL,DAVIS BENNY

Margie - 楽譜サンプル
Margie|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Margie(マーギー)は、Con ConradとJ. Russel Robinsonの作曲、Benny Davisの作詞による1920年発表のポピュラー・ソング。のちにディキシーランドからスイングまで幅広く取り上げられ、現在では定番のジャズ・スタンダードとして認知されている。タイトルの女性名を呼びかける恋歌で、明快な旋律と扱いやすい構成が特徴。歌詞全体の引用は避けるが、恋人への一途な想いを軸にした内容で、当時の舞台やダンス・バンドのレパートリーに適した性格を持つ。
音楽的特徴と演奏スタイル
軽快なテンポでもバラードでも成立するが、伝統的にはミディアムからアップ・テンポで演奏されることが多い。二拍子のツービートでのディキシーランド的アプローチ、あるいは四拍子のスイング・フィールのどちらにもなじみ、コルネット/トランペット、クラリネット、トロンボーンのフロントと、ピアノやバンジョー、チューバ/ベースから成る編成に合う。均整のとれた8小節単位の構成は、テーマ提示の後にソロ回しと合奏リフを挿入しやすく、コーダでのタグ付けにも向く。歌ものとしても、朗々としたメロディラインが発声を引き立てるため、器楽とボーカルの双方で魅力が発揮される。
歴史的背景
作曲者の一人J. Russel RobinsonはOriginal Dixieland Jass Band(ODJB)のピアニストとして知られ、本曲はポピュラー・ソングと初期ジャズの接点で生まれた。1920年の出版直後から舞台やダンスホールで広く演奏され、ジャズ・ミュージシャンのレパートリーへと素早く浸透する。楽譜出版と録音メディアの普及が相まって、アメリカ各地に曲名が知られるようになり、以後世代を超えて受け継がれていった。初期ジャズの熱気とティン・パン・アレー的ソングライティングが交差する好例といえる。
有名な演奏・録音
初期の代表例としては、ODJBによる録音が挙げられる。ボーカル曲としてはエディ・キャンター(Eddie Cantor)の歌唱で一般に広まり、ステージでの人気も高まった。その後もリバイバル期のディキシーランド・コンボやスイング系のバンドが数多く取り上げ、テンポや編成を変えた多様な解釈が蓄積された。個々の録音におけるチャート成績や編曲者、録音年の網羅情報は本稿では情報不明だが、スタンダード曲集やレパートリー集に定着している点は周知の事実である。
現代における評価と影響
現在も伝統派ジャズのセッションでしばしば取り上げられ、初心者からベテランまで即興練習の題材として親しまれる。学習面では、シンプルな和声進行に基づくメロディの作り方、コール&レスポンス、アンサンブルの受け渡しを実地で学ぶのに適した素材とされる。映画やテレビでの具体的な使用歴の網羅情報は情報不明だが、1920年代の雰囲気を想起させる選曲として扱われることがある。
まとめ
Margieは、1920年代のポピュラー・ソングがジャズの語法へ接続していく過程を示す重要曲。明朗な旋律、柔軟なテンポ設定、合奏と即興のバランスの良さが長寿命の秘訣だ。歌としても器楽曲としても映える本作は、これからもセッションやコンサートで生き続け、時代を超えて愛奏されていく。