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ジュディ・オング

魅せられて

  • 作曲: 筒美 京平
#歌謡曲
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魅せられて - 楽譜サンプル

魅せられて|歌詞の意味と歴史

基本情報

「魅せられて」は、1979年に発表された歌謡曲で、作曲は筒美京平、作詞は阿木燿子。オリジナル歌唱はジュディ・オングで、曲名表記として「魅せられて〜エーゲ海のテーマ〜」も広く知られる。第21回日本レコード大賞で大賞を受賞し、同年を代表するヒットとなった。異国情緒を湛えたメロディと堂々たるボーカルが特徴で、現在も歌番組やコンサートで披露される機会が多い。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、青い海や風景を想起させるイメージと、大人の恋の陶酔を重ね合わせ、主人公が不可抗力的に“魅せられていく”心の動きを描く。異国への憧憬、波に身を委ねる感覚、運命的な出会いといったモチーフが連鎖し、官能的でありながらも気品を失わない表現が貫かれている。耳に残るサビの反復は、抗えない引力を象徴し、強靭なメロディラインが情緒の起伏を鮮明に支える。

歴史的背景

1970年代末の歌謡界は、叙情性とポップスの洗練が交差する過渡期にあった。筒美京平は洗練されたコード運びと印象的な旋律で多数の名曲を生み、本作でも流麗さとスケール感を両立。ジュディ・オングの国際的な感性と相まって、国内ポップスに地中海的な光彩を持ち込んだ点が画期的だった。テレビ歌番組の隆盛とも相乗し、視覚演出と一体化した“楽曲の物語性”が広く共有された。

有名な演奏・映画での使用

代表的な演奏として、ジュディ・オング自身によるテレビとステージでのパフォーマンスが挙げられる。大きく広がる衣装を用いた象徴的な演出は、楽曲のイメージを決定づけた。以降も多数の歌手がカバーを発表し、コンサートや番組で取り上げられてきた。映画での使用については情報不明。特定の公式タイアップがあったかも情報不明である。

現代における評価と影響

本作は、歌謡曲の名曲として世代を超えて親しまれ、カラオケ定番曲の一つとしても浸透している。作曲家・筒美京平の代表作の一つとして再評価が進み、追悼特集や回顧企画で取り上げられる機会も多い。旋律のダイナミズムと異国情緒のバランスは、後年のポップスにおける“景色が見える楽曲づくり”の参照点ともなり、編曲や歌唱表現の研究対象としても言及される。

まとめ

異国への憧れと恋の陶酔を、強靭なメロディで結晶化させた「魅せられて」。1979年の大ヒットと受賞歴はもちろん、今日まで続く歌唱・鑑賞の定番性が、その普遍的な魅力を裏付けている。確かな作曲技法と印象的な演出が結びついた、歌謡曲史に残る一曲と言える。