ラ・カンパネラ
- 作曲: LISZT FRANZ
#クラシック

ラ・カンパネラ - 楽譜サンプル
ラ・カンパネラ|作品の特徴と歴史
基本情報
『ラ・カンパネラ』は、フランツ・リストがパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番終楽章の主題に基づいて作ったピアノ独奏曲。最終形は1851年刊『パガニーニによる大練習曲』S.141の第3曲で、調性は嬰ト短調。高音に鳴る“鐘”のモティーフが象徴で、リスト屈指の名曲として知られる。
音楽的特徴と表現
高音域で反復される小音価の音型が鐘の残響を模し、右手はオクターブ超の跳躍と超高速の反復音を連ねる。左手は軽快な分散和音で推進力を担い、両手の交差や広い音域移動が頻出。スタッカートとレガートの対比、響きを整理するペダリングが表情の要。中間部の歌う旋律を経て、華やかなコーダへ収束する。
歴史的背景
19世紀のヴィルトゥオーゾ文化の中で、リストは1831年にパガニーニの演奏に触発され関連作を連作化した。本作の原型は1838年にまとめられ(S.140)、1851年に『パガニーニによる大練習曲』として改訂出版(S.141)。改訂により書法が洗練され、音楽の明晰さとピアノ的効果が高まった。
使用された映画・舞台(該当時)
特定の映画・舞台で本作が中心的に用いられた確証ある事例は情報不明。クラシックの名曲としてコンサートやメディアで引用される機会はあるが、網羅的な使用履歴は確認できない。
現代における評価と影響
本作はピアノ・レパートリーの定番で、国際コンクールやリサイタルで頻繁に演奏される。録音・映像も多く、教育現場では跳躍や反復音、ペダリングの学習例として取り上げられる。鐘のイメージを音響で描く発想は後続の作曲家にも影響を与え続けている。
まとめ
鐘の動機と超絶技巧を融合した、輝かしくも明晰な一曲。由来と改訂史、音響設計を押さえると、鑑賞の深みがいっそう増す。