麻丘めぐみ
芽ばえ
- 作曲: 筒美 京平

芽ばえ - 楽譜サンプル
芽ばえ|歌詞の意味と歴史
基本情報
「芽ばえ」は、作曲家・筒美京平によるポップス/歌謡曲。作詞は千家和也、オリジナル歌唱は麻丘めぐみで、1972年にシングルとして発表された。柔らかなメロディと清新な世界観で知られ、アイドル歌謡の初期を象徴する一曲として広く認知されている。編曲者やレーベルの詳細は情報不明。現在も歌番組の特集や回顧企画で取り上げられる機会が多い。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、芽が土から顔を出すイメージを比喩に、思春期の心の揺らぎや初々しい恋の気配を描く。大仰なドラマではなく、ささやかな気付きと期待、かすかな不安が積み上がる構成が特徴。旋律は語りに寄り添う滑らかさで、言葉のアクセントを保ちながら高揚点を作る筒美の職人技が光る。具体的な情景と抽象的な比喩の均衡がよく、時代を超えて共感を誘う。
歴史的背景
発表当時の日本ポップは、GS以降の多様化と“アイドル”の台頭が進行中。筒美京平は欧米ポップの語法と日本語の可読性を両立させて時代を牽引した。「芽ばえ」は、短いフレーズの巧みな反復や耳に残る下降進行など、ラジオとテレビ双方で映える設計が際立つ。大仰な歌い上げに頼らず、清潔感のある声質が生きるレンジに置く点も、初期アイドル歌謡の美学を体現する。
有名な演奏・映画での使用
代表的な演奏は麻丘めぐみによるオリジナル・シングル。以降もコンサートやテレビ番組で再演され、他歌手によるカバーも複数存在する。映画やドラマでの明確な使用状況は情報不明だが、昭和歌謡を象徴する楽曲として特集や番組企画で取り上げられる機会は多い。音源はベスト盤や配信でも入手しやすい。
現代における評価と影響
今日では、筒美作品を語る基礎曲として位置づけられ、作曲技法や日本語処理の好例として研究・解説の題材に挙げられることが多い。若い感情の瑞々しさを普遍的ポップスに落とし込む方法論は後続のアイドル/J-POPにも通底。アコースティック編成のライブやイベントでも取り上げられ、ロングライフな受容を保っている。
まとめ
「芽ばえ」は、比喩の巧さと旋律美で青春の瞬間を定着させた名曲。基本情報と歴史的文脈を押さえることで、歌詞の細部やサウンドの設計思想が一層鮮明に聴こえてくるはずだ。