西城秀樹

ちぎれた愛

#邦楽ポップス#歌謡曲

ちぎれた愛 - 楽譜サンプル

「ちぎれた愛」は、作曲・馬飼野康二、作詞・阿久悠による西城秀樹のシングル曲。初出年は1973年。情熱的なボーカルとドラマティックな旋律が核となり、70年代歌謡の王道を体現したナンバーとして知られる。編曲者・発売日・レーベルなどの詳細は情報不明。

題名が示す通り、「別れ」や「断ち切られた関係」の痛みを正面から描く。強い恋情と喪失感が交錯し、執着と自立のはざまで揺れる心理が印象的だ。激しい感情の高まりと、ふとこぼれる弱さの対比が歌詞構造に反映され、サビで感情の頂点へ向かう設計が聴き手の共感を呼ぶ。

1970年代前半、日本のポップ・歌謡シーンはアイドルの台頭とともに多様化した。西城秀樹は“新御三家”の一角として注目され、本作は力強い歌唱イメージを確立する一助となった。阿久悠の的確な詞世界と、馬飼野康二のドラマティックなメロディ・構成が合致し、時代の気分を敏感に捉えた楽曲として位置づけられる。

代表的な歌唱としては、西城秀樹自身によるテレビ歌番組やコンサートでのパフォーマンスが広く知られる。生のステージでの緩急あるボーカル表現は本曲の魅力を際立たせた。映画での使用については情報不明。カバーやアレンジの網羅的な一覧も情報不明。

現代の視点では、作曲・作詞・歌唱が緊密に結びつく70年代歌謡の手法を理解するうえで示唆に富む一曲と言える。感情曲線が明快なメロディは“劇的バラード”の典型を示し、制作・歌唱双方の分析対象として価値を持つ。

断ち切られた恋情をダイレクトに歌い上げる本作は、阿久悠の言葉と馬飼野康二の旋律、そして西城秀樹の表現力が噛み合った成果である。基本情報の一部は情報不明ながら、1973年発の歌謡曲としての存在感は揺るがない。いま聴いても鮮烈なエモーションが胸に迫る。