Soulful Strut
- 作曲: RECORD EUGENE,SANDERS SONNY

Soulful Strut - 楽譜サンプル
Soulful Strut|楽曲の特徴と歴史
基本情報
1968年にYoung-Holt Unlimitedが発表したインストゥルメンタル・ナンバー「Soulful Strut」。作曲はRECORD EUGENEとSANDERS SONNY。シカゴのBrunswick系人脈から生まれ、Barbara Acklinの「Am I the Same Girl」と同一トラックを基にした派生作としても知られる。歌詞は存在せず、主旋律はピアノが担う。タイトルが示す通り、ソウルフルで気取った“ストラット”の雰囲気を前面に押し出したクラブ・フレンドリーな一曲だ。
音楽的特徴と演奏スタイル
中庸テンポのソウル・グルーヴに、タイトなドラムと弾むベースが骨格を作り、ピアノのキャッチーなフレーズとホーンの短いリフが対話する。コード進行は比較的シンプルで、反復とブレイクを巧みに配置して推進力を維持。メロディは8小節単位のフレーズを中心に耳に残るフックを形成し、アドリブは控えめでアンサンブルのまとまりを重視する。録音は乾いた質感で、ダンスフロアでも家庭でも映える普遍的な音像が特徴だ。
歴史的背景
Young-Holt Unlimitedは、ラムゼイ・ルイス・トリオ出身のエルディー・ヤング(ベース)とアイザック・ホルト(ドラム)を中心に結成。ジャズの機知とシカゴ・ソウルの洗練を接続したサウンドで人気を博した。本作は発売当時、米国の主要チャートで上位に入るヒットとなり、同グループ最大級の成功作として知られる。制作の背景にはBrunswick周辺のソングライティング・チームの手腕があり、ポップ市場で機能するインスト曲の可能性を広げた。
有名な演奏・録音
決定版はオリジナルのYoung-Holt Unlimited盤。関連作として、同じ作曲を用いたボーカル版「Am I the Same Girl」(Barbara Acklin、のちにDusty SpringfieldやSwing Out Sisterでのヒットも知られる)が挙げられる。これらはメロディと伴奏の親和性を異なる解釈で示し、楽曲の普遍性を裏づけた。その他カバーや再演の網羅的情報は情報不明だが、インスト・ソウルのスタンダード的扱いを受けることが多い。
現代における評価と影響
「Soulful Strut」は、即座に認識できるフレーズと踊れるグルーヴにより、レア・グルーヴやDJ文化の文脈でも長く支持されてきた。編成の自由度が高く、鍵盤主体のバンドからホーン・セクション編成まで取り上げやすい点も普及を後押し。映像や広告での利用状況の詳細は情報不明だが、都市的で晴れやかなムードを演出できる楽曲として定評がある。サンプリングの具体例についても情報不明。
まとめ
歌を介さずに情感を伝えるインストの醍醐味を体現した「Soulful Strut」は、メロディの覚えやすさと確かなリズム設計で時代を超えて聴かれてきた。作曲者RECORD EUGENEとSANDERS SONNYの職人技、そしてYoung-Holt Unlimitedの洗練が結実した、シカゴ発ソウル・インストの定番的名曲である。初聴でも楽しめ、繰り返しで味わいが増す、普遍性の高い一曲と言える。