あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Discussao

  • 作曲: JOBIM ANTONIO CARLOS,MENDONCA NEWTON
#ボサノバ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Discussao - 楽譜サンプル

Discussao|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Discussao(原題表記:Discussão)は、JOBIM ANTONIO CARLOS と MENDONCA NEWTON による共作。言語はポルトガル語で、曲名は「議論/口論」を意味します。ボサノヴァを代表する作曲家コンビによる一曲で、ジャズ・レパートリーとしても演奏されます。初出の年や初演者など詳細は情報不明。歌詞の全文は割愛しますが、内容の詳細や物語設定についても情報不明です。一般にはボサノヴァの歌ものとして知られ、ヴォーカルと小編成リズムセクション(ギター、ベース、ドラム/パーカッション)での演奏が多く見られます。

音楽的特徴と演奏スタイル

穏やかなサンバ由来のボサノヴァ・グルーヴを基調に、弱音で緻密なシンコペーションが肝要です。和声面ではメジャー7th、9th、13thなど拡張和音、セカンダリー・ドミナント、クロマティックな内声進行が用いられることが多く、ギターはテンションを含むクローズド・ヴォイシングで静かに刻むのが定石。テンポは中庸からやや遅めで、歌のニュアンスを生かす間合いが求められます。インスト演奏ではテーマをユニゾンやオクターブで提示し、ソロはコード・スケールの滑らかな接続とシンコペーションの対比で立体感を作るのが効果的。ヴォーカルではポルトガル語のアクセントとレガートを保ち、子音を強く出し過ぎない発音が自然です。

歴史的背景

本作は、1950年代後半から1960年代初頭のリオ・デ・ジャネイロで興ったボサノヴァ潮流の中で生まれました。西洋和声とサンバの洗練を融合させた新様式は、室内楽的な静けさと都会的感性を特徴とし、ジョビンとメンドンサはその中心的存在として数々の名曲を世に送り出しました。Discussaoもその系譜に位置づけられ、歌と和声が密接に絡む設計は、後のジャズ・アレンジにも適応する柔軟性を備えています。出版年・初演に関する具体情報は情報不明です。

有名な演奏・録音

João Gilbertoによる録音(アルバム『O Amor, o Sorriso e a Flor』収録)が広く知られ、ボサノヴァの定型美を示すリファレンスとして参照されます。以降、ブラジル国内外の歌手やジャズ奏者により取り上げられ、ヴォーカル版とインスト版の双方で定着しました。詳細なディスコグラフィやチャート成績、映画での使用情報は情報不明ですが、ライブ・レパートリーとしての継続的な支持は確認できます。

現代における評価と影響

Discussaoは、控えめなダイナミクスの中に高度な和声とリズムの機微を宿す教材的価値を持ち、音楽大学やジャズ教育の現場でも参照されます。移調やテンポ変更、ボサからスウィングへの二重構造アレンジなどにも耐え、クラブからコンサートホールまで幅広い場で機能。プレイヤーにとっては、ボサノヴァのタイム感、テンション・ヴォイシング、ポルトガル語の発音といった要素を総合的に磨く格好の題材として評価されています。

まとめ

Discussaoは、ジョビンとメンドンサの洗練が息づくボサノヴァ楽曲であり、歌ものとしての魅力とジャズ的展開力を兼備します。出版年や歌詞詳細など一部は情報不明ながら、名演に支えられて今日まで演奏され続けるスタンダードです。繊細なリズム運びと拡張和声の扱いを意識すれば、編成や場面を問わず、そのエレガンスを引き出せるでしょう。