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Ya Gotta Try

  • 作曲: NESTICO SAMMY
#スタンダードジャズ
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Ya Gotta Try - 楽譜サンプル

Ya Gotta Try|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Ya Gotta Try は、米国の名編曲家サミー・ネスティコ(Sammy Nestico)によるビッグバンド向けインストゥルメンタル。ネスティコはカウント・ベイシー楽団での仕事で知られ、本曲もその明快でスウィンギーな筆致を体現する一曲として広く演奏されている。初出や正確な発表年は情報不明。一般的なビッグバンド編成(5サックス、4トロンボーン、4トランペット、リズムセクション)を想定し、コンサート、コンテスト、ジャズ教育の現場まで用途が広いのが特徴である。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポは中速から速めのスウィング(4/4)。キャッチーなリフとタイトなアンサンブル・ヒットで展開し、ドラムのセットアップとブラスのスタブが推進力を生む。序奏から主題、ソロスペース、サックス・ソリ、ブラスのシャウト・コーラス、ダイナミクスを効かせたエンディングという、ビッグバンドの王道構成を備える。和声は機能和声を中心に、内声の動きが明瞭で、サックス・セクションのハーモニーとトランペットのリードレンジが要所を締める。ソロはトランペット、テナーサックス、ピアノなどに割り当てられる版が多く、バッキング・フィギュアとの絡みが聴きどころ。

歴史的背景

ネスティコは1960年代後半から1970年代にかけて、洗練されたスウィング・ライティングでビッグバンドの語法を更新した作編曲家である。彼の作品群は教育現場にも強い影響を与え、読譜性・アンサンブル性・ソロの自由度のバランスに優れる。本曲もその文脈に位置づけられ、明快なリフとコール&レスポンス、抑揚の大きいダイナミクス処理など、ネスティコならではの設計が貫かれている。発表年や初演に関する一次情報は情報不明だが、時代を超えて実演に耐える書法が評価されている。

有名な演奏・録音

Ya Gotta Try はカウント・ベイシー楽団のレパートリーとして知られ、同楽団による録音・公演で広く浸透した。以降、多数のプロ・ビッグバンドや大学・高校バンドが取り上げ、コンサートのオープナーやクローザーとして配置されることも多い。個々の録音年や盤情報は情報不明だが、動画配信サイト等での演奏例が豊富で、ドラムのキックとブラスのシャウト、サックス・ソリの精度が評価のポイントとして頻繁に言及される。

現代における評価と影響

本曲は教育と実演の両面で定番化している。アーティキュレーションの統一、ハーモニーのバランス、ダイナミクス設計といったアンサンブル基礎を高い次元で学べるため、リハーサル教材としても有用。観客に訴求する分かりやすいグルーヴと、プレイヤーに求められるテクニックの手応えが両立しており、ビッグバンドの魅力を端的に示す曲として現場の支持が厚い。アレンジャー志望者にとっても、ネスティコ流のクリアなボイシングとリフの配置は研究対象となっている。

まとめ

Ya Gotta Try は、サミー・ネスティコの美点を凝縮したビッグバンド・インストゥルメンタル。リフ主体の主題、歯切れのよいアンサンブル、熱量の高いシャウト・コーラスが、演奏者と聴衆の双方を引き込む。初出の詳細は情報不明ながら、実演・教育現場での普及度は高く、今なおステージを活気づける一曲として定着している。ビッグバンドらしいダイナミクスと一体感を体験するうえで、最適のレパートリーと言えるだろう。