DONNA SUMMER
MacArthur Park
- 作曲: WEBB JIMMY L

MacArthur Park - 楽譜サンプル
MacArthur Park|歌詞の意味と歴史
基本情報
1968年発表の「MacArthur Park」は、作曲・作詞ともにジミー・ウェッブが手がけた長尺ポップ曲。初録音は俳優リチャード・ハリスで、ロサンゼルスのマッカーサー・パークの情景を手がかりに、失われた恋を回想する。約7分超の組曲的構成と壮大なオーケストレーションが特徴で、ジャンルはポップ。代表的カバーとしてドナ・サマー版(1978年)が知られる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、公園の季節の移ろいや雨、色彩感の強い比喩を連ね、関係の終わりと取り返せない時間を象徴的に描く。具体描写は散文詩的で、解釈の幅が広いが、核心は喪失と記憶の反芻にある。作者が私的体験に着想した旨を語っているが、固有名や詳細は情報不明。直截な叙情より、映像的イメージで感情を伝える作風が際立つ。
歴史的背景
1960年代後半、ポップはロックや映画音楽、クラシックの語法を取り込み拡張期にあった。本作も複数セクションの構築、テンポと調性の大きな推移、管弦楽の厚いテクスチャーでその潮流を体現。当初はグループThe Association向けに提示した組曲案から発展したとされ、結果的にハリスのドラマティックな歌唱に合わせて完成形が定まった。
有名な演奏・映画での使用
初演となるリチャード・ハリス版はビルボードHot 100で2位の大ヒット。続くドナ・サマー版(プロデュースはジョルジオ・モロダー/ピート・ベロッテ)はディスコ・アレンジで再解釈され、全米1位を獲得した名唱として定番化した。その他にも多くのアーティストが取り上げている。映画・テレビでの具体的使用作品は情報不明。
現代における評価と影響
奇抜とも評される比喩や長大さゆえに賛否もあるが、ポップ・ソングの表現領域を拡張した例として再評価が進む。大胆な転調とダイナミクス、モチーフ反復の設計は、後続のアートポップやディスコ・プロダクションにも影響を与えた。クラブ・シーンではサマー版がダンス・クラシックとして今なお支持され続けている。
まとめ
MacArthur Parkは、私的記憶を壮大なスケールで普遍化した1960年代ポップの到達点である。象徴的イメージとシンフォニックな設計、異なる解釈を許す余白が、半世紀を超えて聴き手を惹きつける。オリジナルとディスコ版という対照的名演が、その多義性と耐久力を雄弁に物語っている。