Well, did you evah?
- 作曲: PORTER COLE

Well, did you evah? - 楽譜サンプル
Well, did you evah?|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Well, Did You Evah!」は、コール・ポーターが作曲・作詞した機知に富むデュエット曲。初出は1939年のブロードウェイ『DuBarry Was a Lady』。軽快なスウィング感と会話調のやり取りで親しまれ、いまやグレイト・アメリカン・ソングブックを象徴するジャズ・スタンダードとなっている。
音楽的特徴と演奏スタイル
魅力は、パター・ソング的な早口の掛け合いと、シンコペーションを効かせた会話の間合い。歌手は明瞭なディクションとウィットを要し、テンポは中速〜やや速めが定番。編成はピアノ・ベース・ドラムの小編成からビッグバンドまで幅広く、軽妙な伴奏が映える。
歴史的背景
作品は大恐慌後の娯楽回帰の気分を背景に、上流社会の社交とゴシップを洒落っ気たっぷりに風刺。1956年の映画『上流社会(High Society)』では時事ネタを織り込んだ改訂歌詞で再提示され、広く普及した。舞台のヒット曲が映画で再生産される当時の潮流を示す一例でもある。
有名な演奏・録音
最も著名なのは映画『上流社会』におけるビング・クロスビーとフランク・シナトラのデュエット。余裕あるスウィングと洒脱なやり取りが高評価を得る。1990年の『Red Hot + Blue』ではデビー・ハリーとイギー・ポップが大胆なアレンジで録音し、世代を超えて新鮮さを与えた。ほかにもレビュー公演やジャズ歌手のレパートリーとして継続的に取り上げられている。
現代における評価と影響
現代でもキャバレーやレビュー、学校公演のデュエット・ナンバーとして定番化。キーや編成に柔軟で、男女・同性いずれの組み合わせでも成立する実用性が支持される。ポーター流の都会的センスを学ぶ教材としても重宝され、ジャズのリズム感と台詞性の統合を体験できる。
まとめ
軽やかなスウィングと会話体が融合した本曲は、誕生から80年以上を経ても色褪せない。機知とタイム感を要求する演者向けの名品であり、聴き手には痛快なユーモアを届ける。デュエット・ソングの古典として今後も歌い継がれていくだろう。