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Big Bertha

  • 作曲: PEARSON COLUMBUS C,PEARSON DUKE
#スタンダードジャズ
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Big Bertha - 楽譜サンプル

Big Bertha|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Big Berthaは、ジャズ・ピアニスト/作曲家デューク・ピアソン(本名Columbus Calvin Pearson Jr.)のインストゥルメンタル。Blue Noteのアルバム『Sweet Honey Bee』に収められ、1966年にニュージャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオで録音。編成はピアノ、トランペット、アルトサックス(フルート)、テナーサックス、ベース、ドラムスで、主な参加者はFreddie Hubbard、James Spaulding、Joe Henderson、Ron Carter、Mickey Roker。作詞者は存在せず、歌詞もない。

音楽的特徴と演奏スタイル

耳に残るシンプルな主題と硬質なスウィング感が核。ホーンはユニゾンとハーモニーを巧みに行き来し、コール&レスポンスで推進力を生む。ピアソンの整然としたヴォイシングと明快なフォーム設計により、ソロはハード・バップの語法を保ちながらもソウルフルに展開する。リズム・セクションは丁寧な四分音符のウォーキングとスネアの躍動で、躍動感と安定感を同時に支える。

歴史的背景

ブルーノートの屋台骨としてA&Rや編曲を担ったピアソンの黄金期に位置づけられる一曲。モダン・ジャズがハード・バップからソウル/ポップ感覚を取り込み始めた1960年代半ばの文脈にあり、親しみやすい旋律と堅実なアンサンブル設計がその時代性を物語る。『Sweet Honey Bee』は彼の代表作の一つとされ、本曲もアルバムのトーンを決定づける重要曲である。

有名な演奏・録音

基準となる音源は『Sweet Honey Bee』収録のオリジナル録音。ヴァン・ゲルダーのクリアなエンジニアリングがホーンのブレンドとリズム・セクションの厚みを際立たせる。各プレイヤーのフレーズ運びは構成美と即興性の均衡が取れており、作品理解の決定版として参照される。その他の商業的に広く知られた別テイクやライブ盤の情報は情報不明。

現代における評価と影響

本曲はピアソンの作編曲術をコンパクトに示す代表例として、アルバムとともに再評価が進む。ストリーミングや各種リイシューにより聴取環境が整い、ブルーノート中期のサウンドを俯瞰する上での指標として注目される。ソロ構成やホーン・ヴォイシングの巧みさは、アレンジと即興の融合例として研究価値が高い。映画・番組での使用実績は情報不明。

まとめ

洗練されたメロディと堅固なアレンジ、精鋭陣の演奏が結晶したインストゥルメンタル。Blue Note期のDuke Pearsonの美点—歌心、構築性、合奏美—を凝縮した一曲であり、アルバム『Sweet Honey Bee』の魅力を象徴するトラックとして聴き継がれている。