Dakar
- 作曲: CHARLES TEDDY

Dakar - 楽譜サンプル
Dakar|楽曲の特徴と歴史
基本情報
CHARLES TEDDY作曲による「Dakar」は、歌詞を持たない器楽曲。初出はPrestigeレーベルから発売されたアルバム『Dakar』収録音源として知られ、演奏者にジョン・コルトレーンの名が見えることで注目を集めた。作曲年・初演者・初録音の厳密なクレジットは情報不明だが、同アルバムの存在が楽曲の知名度を大きく支えている。ジャンルはモダンジャズの文脈で語られることが一般的である。
音楽的特徴と演奏スタイル
Prestige盤で聴けるアレンジでは、低音域を担うバリトンサックス二管とテナーサックスが厚みのあるフロントを形成。リフ基調の端的な主題からアドリブへ移行し、力強いスウィングのリズムが推進力を与える。ピアノ、ベース、ドラムスによるリズム・セクションはビートを明快に刻みつつ、ソロの背後でコンピングを調整し、合間にコンパクトなブレイクが配されるなど、アンサンブルの緊張と緩和が明瞭である。
歴史的背景
作曲者テディ・チャールズ(表記:CHARLES TEDDY)は、1950年代モダンジャズ期に活躍した作編曲家/ヴィブラフォン奏者として知られる。『Dakar』は、ニューヨークを中心にハードバップが成熟していった時代のセッションに関連づけられ、特に低音域を前面に出す発想が当時の編成実験やアンサンブル志向を反映している。制作年や委嘱の有無、初演の舞台などの一次情報は情報不明で、現存する録音が主な参照資料となる。
有名な演奏・録音
代表的な録音はPrestigeのアルバム『Dakar』に収められたテイク。フロントにはジョン・コルトレーン(テナー)、ペッパー・アダムス/セシル・ペイン(各バリトン)が名を連ね、ピアノ、ベース、ドラムスを加えたセクステット編成で演奏される。重心の低い三管のブレンドと、ソロの受け渡しの明快さが聴きどころである。ほかの商業録音・映画等での使用例については情報不明で、資料面ではこのテイクが基準点となっている。
現代における評価と影響
本曲はジャズ史の大枠で「頻出スタンダード」とは言い難いものの、コルトレーン関係のディスコグラフィやテディ・チャールズ作品を掘り下げる際の重要トラックとして評価される。バリトンサックスを二本据える書法は、低音域の音色設計やアンサンブル・バランスの研究題材として意義があり、編曲やセクション・ワークの学習にも資する。後続世代における直接の引用・再演履歴は情報不明だが、愛好家の再評価は続いている。
まとめ
「Dakar」は、歌詞を持たない器楽曲として、低音域の厚みとシンプルな主題を核にアドリブが展開する硬派な一曲である。作曲年などの詳細は情報不明だが、Prestige盤の録音が決定版的な参照先であり、モダンジャズ黄金期のサウンド・デザインやアンサンブル美学を具体的に体感できる。実演や研究の素材としても有用で、作曲者CHARLES TEDDYの手腕を示す好例と言える。