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Robin's Nest
- 作曲: JACQUET JEAN BAPTISTE ILLINOIS, THOMPSON SIR CHARLES

Robin's Nest - 楽譜サンプル
Robin's Nest|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Robin's Nest は、テナー・サックス奏者Illinois JacquetとピアニストSir Charles Thompsonの共作によるインストゥルメンタルのジャズ・スタンダード。表記ゆれとしてRobbins' Nestが広く流通する。歌詞付きの公式版は確認されておらず、作詞者は情報不明。初出年・初演についても確定情報は情報不明だが、現在でもセッションやビッグバンドで頻繁に取り上げられる定番曲である。
音楽的特徴と演奏スタイル
スウィングの推進力を前面に出したリフ主体のテーマが特徴。明快なメロディと比較的シンプルなハーモニー進行により、テンポを上げたドライヴ感のある演奏から、余裕を持たせたミディアム・スウィングまで幅広く映える。テナー・サックスやピアノのソロ・スポットがよく設けられ、コンボ編成ではコール&レスポンス、ビッグバンドではシャウト・コーラス的展開が定番となる。即興部分ではブルース・フィールを活かしたフレージングが映え、リズム・セクションのウォーキングとコンピングが要となる。
歴史的背景
作者の二人はいずれもスウィングからビバップへの過渡期を代表する音楽家で、強靭なトーンのJacquetと、洗練されたグルーヴを持つThompsonの美点が楽曲に反映されている。タイトルの由来は情報不明だが、資料や録音ではRobbins' Nestの表記がしばしば用いられる。戦後のジャズ・シーンでコンボからビッグバンドまで幅広く取り上げられ、リフ・チューンの魅力を伝えるレパートリーとして浸透した。
有名な演奏・録音
代表的な音源として、作曲者本人によるSir Charles Thompsonのコンボ、Illinois Jacquetのセッションが挙げられる。加えてCount Basie楽団などビッグバンドの録音もよく知られ、軽快なリフを生かしたアレンジが多数残る。個々の録音年やチャート成績は情報不明だが、リリースの蓄積とステージでの再演の多さが、同曲の標準曲としての位置づけを裏づけている。
現代における評価と影響
今日ではジャズ教育やセッションのレパートリーとして定着し、スウィング・フィールやリフ・ビルドの基礎を学ぶ教材としても用いられる。難解なコード進行に依存せず、アンサンブルの呼吸とドライヴで音楽を立ち上げるタイプの曲として、管楽器セクションの練習曲にも適している。映画やテレビでの使用実績は情報不明だが、実演現場での支持は継続的である。
まとめ
Robin's Nestは、リフの快感とスウィングの推進力を端的に示すジャズ・スタンダード。詳細な初出情報は情報不明ながら、コンボとビッグバンド双方で映える設計が、長年にわたり受け継がれてきた理由といえる。セッションでも取り上げやすく、入門から実務まで活躍する実演映えの名曲である。