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Quartet No. 2 Part 2

  • 作曲: COREA CHICK
#スタンダードジャズ
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Quartet No. 2 Part 2 - 楽譜サンプル

Quartet No. 2 Part 2|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Quartet No. 2 Part 2 は、ジャズ・ピアニスト/作曲家チック・コリア(Chick Corea)によるインストゥルメンタル作品で、アルバム「Three Quartets」に収められた組曲の一部。演奏はコリア(p)、マイケル・ブレッカー(ts)、エディ・ゴメス(b)、スティーブ・ギャッド(ds)という鉄壁のカルテットで行われる。発表年は1981年とされる。収録レーベルや細かな制作クレジットは情報不明。歌詞は存在しない。

音楽的特徴と演奏スタイル

本作は、端的で印象的な主題を核に、和声の推移とリズムのうねりでダイナミズムを築く構成が特徴。主題提示から即興部、再現部へと連なる流れは緻密に設計され、各奏者のインタープレイが立体的な音像を作り上げる。コリアの明晰なヴォイシングとポリリズミックなギャッドのドラミング、歌心あふれるゴメスのベース、ブレッカーの力強くも繊細なテナーが相互に呼応。緊張と解放を巧みに交錯させ、室内楽的な精度とジャズの自発性を両立させている。

歴史的背景

1970年代にエレクトリック路線でも存在感を示したコリアは、1980年代初頭にかけてアコースティック編成での創作を改めて深化させた。「Three Quartets」はその流れの中で生まれ、複数の“Quartet No.”で構成される組曲的発想と、モダン・ジャズの語法を結び付けた意欲作である。Part 2は、その中でも楽曲構成の完成度とアンサンブルの緊密さが際立ち、アルバム全体の美学を体現する一篇として位置づけられる。

有名な演奏・録音

最も広く知られるのは、オリジナル・アルバムに収められたスタジオ録音で、カルテットのバランスとダイナミクスが理想的に捉えられている。ライブでの定番性や、他アーティストによる著名なカバー、映像作品での使用については情報不明。再発盤やリマスターの技術的詳細も情報不明だが、コアなジャズ・ファンの間で当該トラックはアルバムの重要トラックとして認知されている。

現代における評価と影響

今日では、ポスト・バップ以降の作曲志向ジャズを代表する一曲として参照されることが多い。特に、テーマ素材の動機展開、拍感の揺らぎを活かしたアンサンブル運用、ソロと伴奏の相互作用は、演奏家や学習者にとって格好の教材となっている。ブレッカーのフレージング、ギャッドのダイナミクス設計、コリアの和声感は、多くの後続世代に影響を与え続けている。

まとめ

Quartet No. 2 Part 2 は、端正な構築性と燃える即興性が交差するコリア流カルテット芸術の到達点。アルバム「Three Quartets」の文脈で聴くことで、主題処理や楽章間の対比がより鮮明に理解できる。作曲的視点と演奏的妙味の両面から味わえる、現代ジャズの重要レパートリーである。