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All Of Me
- 作曲: SIMONS SEYMOUR B, MARKS GERALD

All Of Me - 楽譜サンプル
All Of Me|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「All Of Me」は1931年にGerald MarksとSeymour B. Simonsが発表した英語詞のポピュラー・ソングで、現在はジャズ・スタンダードとして定着している。恋愛を主題とする歌もので、多数のヴォーカル、器楽演奏に取り上げられた。同名の現代ポップ曲(John Legend作)とは別作品である点に注意。出版社や初演者の詳細は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
32小節のAABA形式が基本。覚えやすい主題に跳躍音程やシンコペーションが織り込まれ、歌唱でも器楽でも旋律線が映える。ブリッジでは循環進行が現れ、アドリブではターンアラウンドや経過和音の処理が聴きどころ。テンポはミディアム・スウィングが定番だが、バラード、ボサノヴァ、2ビートなど多様な解釈が可能で、転調エンディングもよく用いられる。
歴史的背景
大恐慌期のティン・パン・アレー系楽曲として広く出版され、ダンス・バンドやラジオを通じて人気を獲得。スウィング時代に入り、ジャズ・コンボやビッグバンドの常用レパートリーとなった。譜面配布と録音技術の普及が拡散を後押しし、戦後も歌手とインストゥルメンタルの双方で演奏され続けた。初出年は1931年であるが初演の場・媒体は情報不明。
有名な演奏・録音
代表例として、ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイ、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンらの名唱が知られる。ジャンゴ・ラインハルトとホット・クラブの録音はギター・ジャズの古典。さらにウィリー・ネルソンは1978年にカントリーとしてヒットさせ、楽曲の越境性を示した。各録音の発表年・レーベルの詳細は情報不明。
現代における評価と影響
セッションの定番曲として音楽教育でも頻繁に扱われ、初学者のアドリブ導入から上級者の解釈比較まで幅広い教材となっている。ビッグバンド用の公式・非公式アレンジも豊富で、映像作品や舞台で引用される機会も多いが、個別の作品名は情報不明。配信時代に入ってもカヴァーが継続的に増え、スタンダードとしての地位は不動である。
まとめ
普遍的なラブ・ソングの語り口と明快なAABA構成、アレンジの自由度が長寿命の理由だろう。歌手にも器楽奏者にも開かれた名曲であり、キーやテンポ、リハーモナイズで個性を出しやすい。聴くなら名唱・名演の系譜を、演奏するならメロディとブリッジの和声運びを丁寧に扱うのが要点だ。