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Teeter Totter

  • 作曲: HENDERSON JOE
#スタンダードジャズ
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Teeter Totter - 楽譜サンプル

Teeter Totter|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Teeter Totter は、テナーサックス奏者・作曲家ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)によるインストゥルメンタル曲。タイトルは英語で「シーソー」を意味します。初出は Blue Note レーベルのリーダー作『Our Thing』に収録。共演はケニー・ドーハム(tp)、アンドリュー・ヒル(p)、エディ・カーン(b)、ピート・ラロカ(ds)で、ヘンダーソンの初期代表メンバーが集う編成です。発表年の詳細は情報不明。歌詞は付されておらず、アドリブとアンサンブルの妙で聴かせる純粋なジャズ・ナンバーです。

音楽的特徴と演奏スタイル

2管フロント(テナー+トランペット)を生かしたタイトなテーマ提示と、スウィンギーなリズムの推進力が聴きどころです。テーマはユニゾン/ハーモニーを効果的に用い、明確なフレーズの切り返しとシンコペーションが印象を残します。ソロ・セクションでは、ハード・バップの語法に根差しつつも、和声的な拡がりやリズムの間合いを生かしたポスト・バップ的アプローチが展開されます。ピアノがハーモニーの陰影を付け、ベースとドラムが躍動的に支えることで、ヘンダーソン特有の鋭さと歌心がバランスよく際立ちます。

歴史的背景

1960年代前半の Blue Note は、ハード・バップからポスト・バップへと語法が多様化した時期で、若手の創造的な作曲・アレンジが数多く録音されました。ヘンダーソンは『Page One』に続くリーダー作群で作曲家としての資質を明確にし、Teeter Totter もその流れに位置づけられます。ケニー・ドーハムとの協働は、メロディとアドリブの橋渡しに重要な役割を果たし、当時のニューヨーク・シーンで進行していたモダン・ジャズの深化を具体化しました。

有名な演奏・録音

基準となる演奏は、ヘンダーソンのアルバム『Our Thing』に収められたスタジオ録音です。テナーとトランペットの緊密なアンサンブル、アンドリュー・ヒルの個性的なコンピング、リズム隊の推進力が結晶したトラックとして評価され、同作の聴きどころの一つに数えられます。オリジナル録音は各種再発や配信サービスで入手可能で、作品理解の第一歩として推奨されます。その他の著名なカバー情報は情報不明です。

現代における評価と影響

Teeter Totter は、ジョー・ヘンダーソンのオリジナル群が示す作編曲の精度と、即興を生かす構造設計の好例として評価されています。特に2管テーマの扱い方、ソロへの受け渡し、リズム・セクションのダイナミクスなど、1960年代モダン・ジャズのアンサンブル作法を学ぶ上で示唆に富みます。近年の再発やデジタル配信によりアクセスが容易になり、作曲面からヘンダーソンを掘り下げる際の重要曲として参照され続けています。

まとめ

ジョー・ヘンダーソン作曲の Teeter Totter は、Blue Note 期の創造性とアンサンブル美学を凝縮したインストゥルメンタルです。オリジナル録音『Our Thing』が決定的資料であり、モダン・ジャズの語法を実地に示す好例として価値を保っています。詳細年など一部は情報不明ながら、作品の音楽的魅力は現在も色褪せません。