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ABBA

Thank You For The Music

  • 作曲: ANDERSSON BENNY GORAN BROR,ULVAEUS BJOERN K
#洋楽ポップス
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Thank You For The Music - 楽譜サンプル

Thank You For The Music|歌詞の意味と歴史

基本情報

ABBAの楽曲「Thank You For The Music」は、作曲をANDERSSON BENNY GORAN BRORとULVAEUS BJOERN Kが担当し、作詞はULVAEUS BJOERN K。1977年発表のアルバム『The Album』に収録され、リード・ボーカルはアグネタが務めた。軽やかなピアノと温かなストリングス、緻密なコーラスが絡み合う、普遍性の高いポップ・チューンとして知られる。歌い上げる構成美と上質なサウンド・プロダクションが、ABBAのソングライティングの強みを端的に示している。

歌詞のテーマと意味

歌詞は“音楽そのものへの感謝”を核に、音楽が語り手の自己表現を可能にし、人生を照らす力であることを告白的に綴る。日常の小さな発見や喜びを一人称で積み重ね、サビで感謝の感情を解き放つ構図が印象的だ。自己肯定、創造への敬意、聴くこと・歌うことの歓びが自然体で融合し、聴き手各々の原体験と共鳴する。比喩や呼びかけを交えた平易な言葉運びも、テーマの普遍性を支える重要な要素となっている。

歴史的背景

本曲はABBAの1977年ツアーで披露されたミニ・ミュージカル『The Girl with the Golden Hair』の一篇として構想された。物語的な連作の中で“アーティストの原点を語る”位置づけを担い、スタジオ録音ではピアノ、ストリングス、重層的なコーラスを軸に洗練を極めた。アルバム『The Album』の流れでも緩急の要として機能し、バンドの物語性とポップ職人芸が交差する代表例として語り継がれている。

有名な演奏・映画での使用

代表的な収録は『The Album』のほか、ベスト盤『ABBA Gold』。舞台版『マンマ・ミーア!』でも重要曲として取り上げられ、2008年の映画版『マンマ・ミーア!』でも使用された。ABBAの公式ライヴ映像や音源でも披露され、会場の合唱を誘うエモーショナルなハイライトとして愛されている。地域によっては後年シングル化も行われ、世代を超えて聴き継がれるレパートリーとなった。

現代における評価と影響

明朗なメロディと率直なメッセージは時代・言語を超え、ストリーミング期にも安定した人気を保つ。合唱やカバーのアレンジが広く流通し、音楽を学ぶ人にとっては“構成・転調・ハーモニーの妙”を学べる教材的側面も指摘される。感謝という普遍的価値をポップの文法で結晶化した点が、ABBAの文化的な厚みを示す証左として評価されている。

まとめ

「Thank You For The Music」は、音楽への純粋な敬意を洗練されたクラフトで描いたABBAの名曲。歌心、ハーモニー、アレンジの妙が結実し、聴く者の人生に寄り添う普遍性を獲得した。今なお“音楽にありがとう”と伝えたくなる瞬間を支える、時代を超えるポップ・アンセムである。