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The Summer Knows

  • 作曲: LEGRAND MICHEL JEAN
#洋楽ポップス#ムードミュージック#映画音楽
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The Summer Knows - 楽譜サンプル

The Summer Knows|作品の特徴と歴史

基本情報

Michel Legrand(ミシェル・ルグラン)が映画『おもいでの夏』(Summer of ’42, 1971)のために書いた主題歌/テーマ。後にMarilyn BergmanとAlan Bergmanが歌詞を付け、インストゥルメンタルとしても歌ものとしても広く親しまれている。映画音楽としての存在感と、独立した楽曲としての完成度を兼ね備え、サウンドトラックの枠を越えてスタンダード化した代表曲である。

音楽的特徴と表現

穏やかなテンポのバラードで、ため息のように滑らかな旋律線が長いフレーズで歌われるのが特徴。柔らかなストリングスと木管を中心としたオーケストレーション、微妙に移ろう和声進行が郷愁とほろ苦さを同時に喚起する。旋律は記憶に残る明確なモチーフを持ち、場面ごとにダイナミクスやテクスチャーを変えて提示されることで、青春の一瞬の輝きと失われゆく時間感覚を音楽的に描写している。

歴史的背景

1971年公開の同作はロバート・マリガン監督による青春映画で、繊細な心理描写を音楽が強力に支えた。フランス出身のルグランは欧米両方で活躍し、本作のスコアでアカデミー賞作曲賞を受賞。主題「The Summer Knows」は、物語を導く中心動機として全編を貫き、映画のトーンを決定づけた。映画公開後はコンサートやレコーディングで独立曲として演奏される機会が拡大した。

使用された映画・舞台(該当時)

『おもいでの夏』のメインタイトル、主要場面、エンドクレジットなどで繰り返し提示され、主人公の心情の揺らぎを音楽的に支える。シーンに応じてピアノ主体、室内編成、フルオーケストラと編成が変化し、同一主題の多面的な表情が引き出される。公開当時の舞台使用は情報不明だが、映画内での多様な編曲展開により、主題の汎用性と表現力が際立った。

現代における評価と影響

映画音楽の名旋律として高く評価され、多数のボーカリストやジャズ奏者が取り上げてきた。バーブラ・ストライサンドらの録音で広く知られ、コンサート・プログラムでも頻出。オーケストラ、室内楽、ジャズ・アンサンブル向けの編曲が豊富に流通し、教育現場やプロの現場で継続的に演奏されている。映画音楽とポピュラー音楽の架橋例としてもしばしば言及される。

まとめ

「The Summer Knows」は、映画の物語性と独立楽曲としての魅力を兼ね備えた象徴的テーマである。叙情的な旋律、上質な和声感、洗練のオーケストレーションが、聴き手の記憶と感情に直接訴えかけ、時代を超えて愛され続けている。映画史と音楽史の双方で位置づけられる、ルグランの至高の一曲と言える。