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Oleo

  • 作曲: ROLLINS SONNY
#スタンダードジャズ
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Oleo - 楽譜サンプル

Oleo|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Oleo」はソニー・ロリンズが作曲したジャズ・スタンダード。初出は1954年の録音で、歌詞をもたないインストゥルメンタル。32小節AABA形式の“リズム・チェンジ”を基盤とし、主調はB♭メジャーで演奏されることが多い。テンポはミディアムからアップまで幅広く、ジャム・セッションの定番曲として広く親しまれている。

音楽的特徴と演奏スタイル

本曲はガーシュウィンの「I Got Rhythm」のコード進行を借りたコントラファクト。主題は反復的なリフとシンコペーションが特徴で、シンプルながらも強い推進力を生む。ソロではII–V–Iの連鎖とブリッジ部の循環進行を巧みに捉えることが鍵。定番の構成はヘッド→各奏者のコーラス→ドラムとの4バース交換→ヘッドで締めという流れで、ウォーキング・ベースと軽快なライド・シンバルが推進役を担う。イントロやエンディングはブレイクを活かす簡潔なアレンジが好まれる。

歴史的背景

1950年代半ば、ロリンズは「Airegin」「Doxy」といったコントラファクトを次々に発表し、ハード・バップ期の語法を形作った。「Oleo」は1954年、マイルス・デイヴィスのPrestigeセッションで初録音され、同時期の録音群とともに広く知られるようになる。以後、ジャム・セッションの教材的役割も担い、アドリブの基礎訓練に最適なレパートリーとして定着した。

有名な演奏・録音

代表的な音源としては、1954年のマイルス・デイヴィスによる録音(Prestige)が挙げられる。さらに1956年の『Relaxin’ with the Miles Davis Quintet』にも収録され、スウィング感とテンポのドライブ感を兼ね備えた名演として評価が高い。作曲者ロリンズ自身も多くのライブで取り上げ、各世代のプレイヤーが解釈を更新し続けてきた。現在も多数の教本や“Real Book”に収載され、録音・演奏例は枚挙にいとまがない。

現代における評価と影響

「Oleo」は“リズム・チェンジ”の語法を効率よく学べる教材曲であり、音大やワークショップのカリキュラムでも頻繁に扱われる。テンポ設定やフォーム運用の自由度が高く、トリオからコンボ、ビッグバンドまで幅広い編成で映える点も魅力。プロのオーディションやセッション現場でも指標曲として指定されることが多い。

まとめ

シンプルな主題と汎用性の高い和声を備えた「Oleo」は、学習者にとっては登竜門、プロにとっては腕試しの舞台となる永遠の定番。歴史と実践性を兼ね備えた、ジャズを知るうえで外せない一曲である。