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久石 譲

あの夏へ 千と千尋の神隠しより

千と千尋の神隠しより

  • 作曲: 久石 譲
#ジブリ
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あの夏へ 千と千尋の神隠しより - 楽譜サンプル

あの夏へ 千と千尋の神隠しより|作品の特徴と歴史

基本情報

「あの夏へ」は、2001年公開のスタジオジブリ映画『千と千尋の神隠し』のために久石譲が作曲した器楽曲で、英題は“One Summer’s Day”。穏やかなピアノを中心に、弦と木管が織り重なる代表的テーマの一つです。歌詞はなく、映画の劇伴の核として機能し、独立した演奏曲としても広く親しまれています。

音楽的特徴と表現

静かなピアノの分散和音から始まるシンプルな旋律は、反復と段階的な厚み付けで情感を高めます。弦のサステインと木管の柔らかな対旋律が透明感を生み、ダイナミクスの緩やかな起伏が郷愁と清澄さを表出。和声は穏当な進行を軸にささやかな転調を織り込み、ミニマリズム由来の動機反復が映像の時間感覚と呼応します。

歴史的背景

久石譲は宮崎駿監督と長年タッグを組み、本作でも世界観の要を担いました。『千と千尋の神隠し』は公開後、各国で高く評価され、映画自体はベルリン国際映画祭金熊賞や米アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。「あの夏へ」はサウンドトラック収録曲として2001年に発表され、英題とともに国際的に知られる存在となりました。

使用された映画・舞台(該当時)

映画では序盤の車内シーンをはじめ、物語の節目で変奏として登場し、主人公の心の動きや風景の移ろいを静かに支えます。終盤やエンドロールには別曲が用いられるため、本曲は劇中の象徴的モチーフとして印象を刻みます。舞台版など他媒体での本曲の直接使用については情報不明です。

有名な演奏・録音

オリジナル・サウンドトラック(2001年)に収録され、多数の公式・ライブ盤で再演されています。久石譲自身のコンサート(例:大規模オーケストラ公演)での演奏は定評があり、ピアノ独奏版からオーケストラ版、室内楽編まで多彩なアレンジが流布。国内外のピアニストや学生の発表会レパートリーとしても定番化しています。

現代における評価と影響

「あの夏へ」は映像と切り離しても成立する楽曲として高い人気を保ち、配信用音源、楽譜、レッスン動画などを通じて演奏人口を拡大。叙情性と簡潔さを両立した書法は、のちの映画音楽やメディア音楽にも影響を与えました。作品全体の記憶を呼び起こす象徴的テーマとして、世代や国境を越えて演奏され続けています。

まとめ

久石譲「あの夏へ」は、簡素な素材を緻密に積み上げる構築力で、映像の詩情と観客の記憶を結びつけた映画音楽の金字塔です。ピアノとオーケストラの透明な響きは、初学者から上級者まで魅了し、今なお多くの場で演奏される普遍的レパートリーとなっています。