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Só Tinha de Ser Com Você (It Could Only Happen With You) 

  • 作曲: JOBIM ANTONIO CARLOS
#ボサノバ
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Só Tinha de Ser Com Você (It Could Only Happen With You)  - 楽譜サンプル

Só Tinha de Ser Com Você (It Could Only Happen With You) |楽曲の特徴と歴史

基本情報

アントニオ・カルロス・ジョビン作曲「Só Tinha de Ser Com Você」は、ポルトガル語題のボサノヴァ曲。英語題は“It Could Only Happen With You”。作詞者は情報不明、発表年も情報不明だが、1974年の名盤「Elis & Tom」収録の演奏で広く認知された。原題は“あなたとでなくてはならなかった”ほどの意味で、親密な恋を成熟した筆致で歌う。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸テンポのボサノヴァ・グルーヴに、ジョビン特有の洗練和声が映える。メジャー7thや9thを含む拡張和音、半音階的な内声進行、控えめに揺れるテンションが、甘美さとほのかな憂いを共存させる。メロディは語りかけるように抑制的で、言葉の親密さを際立てる。編成はギター+ピアノ+ブラシのドラムが定番。ジャズ演奏では短いアドリブや転調感を活かしたソロを挿入する解釈が多い。

歴史的背景

ボサノヴァは1950年代末のリオで生まれ、60年代に世界へ拡散した。本曲の制作年は情報不明だが、英語題の併記は国際市場での流通を意識したレパートリーであることを示す。1970年代にはブラジル内外の歌手・ジャズ奏者のレパートリーに加わり、都会的で静謐なロマンティシズムの代表曲となった。

有名な演奏・録音

・Elis Regina & Tom Jobim「Elis & Tom」(1974)—繊細な歌と気品ある伴奏で決定的名演とされる。その他の代表的録音は情報不明。映画・ドラマでの使用状況も情報不明。

現代における評価と影響

今日もボーカルやピアノ・トリオで頻繁に演奏され、クラブやコンサートのスタンダードとして定着。過度な技巧を要さずに高度な和声語法を味わえるため、上級者の表現素材としても学習者の教材としても価値が高い。ポルトガル語原題と英語題の併存は、ボサノヴァの越境性を示す例として語られる。

まとめ

親密な情感と洗練和声が溶け合う本曲は、確定情報に限りがあるものの、名演を通じて価値が磨かれ、いまなおジャズ/ボサノヴァの現場で愛奏されている。