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Indiana
- 作曲: HANLEY JAMES F

Indiana - 楽譜サンプル
Indiana|楽曲の特徴と歴史
基本情報
本作はJames F. Hanleyが作曲し、Ballard MacDonaldが作詞した1917年発表のポピュラー・ソング「Back Home Again in Indiana」の通称。後年ジャズ界で標準曲として定着し、題名「Indiana」で呼ばれることが多い。歌詞付き楽曲だが、器楽演奏で取り上げられる機会も非常に多い。
音楽的特徴と演奏スタイル
形式は一般に32小節で、ABACと説明されることが多い。典型的にはFメジャーで演奏されるが、調性は演奏者により可変。明快な循環進行とツー・ファイブの連鎖が即興に適しており、テンポはミディアムからアップテンポのスウィングが主流。コード進行を借用したコントラファクト「Donna Lee」が広く知られる。
歴史的背景
1910年代のティン・パン・アレー文脈で生まれ、アメリカ中西部の郷愁を歌う内容が人気を博した。メロディには、同州ゆかりの歌「On the Banks of the Wabash, Far Away」との類似がしばしば指摘される。ジャズの初期からレパートリー化し、ディキシーランド、スウィング、ビバップ各時代で息長く演奏されてきた。
有名な演奏・録音
ジャズではルイ・アームストロングをはじめ、多数の名手が録音・演奏してきた。ビバップ以降は「Donna Lee」を通じても親しまれ、アドリブ教育の題材にもなった。ポピュラー文化では、インディアナポリス500で前奏曲として歌われる伝統がよく知られ、長年にわたり会場の象徴的な楽曲として扱われている。
現代における評価と影響
今日でもジャム・セッションの常連曲で、明快な和声進行はウォーキング・ベース、ライン構築、置換和音の練習に最適とされる。器楽・歌唱の双方で親和性が高く、編成を問わず取り上げやすい点も評価される。地域やイベントの文脈での演奏機会も多く、スタンダードとしての地位は揺るがない。
まとめ
Indianaは、1917年生まれのポピュラー・ソングがジャズの核心的レパートリーへと発展した好例である。簡潔で覚えやすい旋律と機能的な和声が、世代とスタイルを超えて演奏家を惹きつけ続け、文化的アイコンとしても存在感を保っている。