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Alone Again

  • 作曲: O SULLIVAN GILBERT, O SULLIVAN RAYMOND
#洋楽ポップス
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Alone Again - 楽譜サンプル

Alone Again|歌詞の意味と歴史

基本情報

一般に“Alone Again (Naturally)”として知られる本曲は、1972年発表のポップ・バラード。作曲者クレジットの「O SULLIVAN GILBERT」「O SULLIVAN RAYMOND」は同一人物で、芸名と本名を示す。作詞はGilbert O'Sullivan。失恋と喪失を描く英語詞の楽曲で、原題の副題“(Naturally)”が内容の独白性を補強している。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、結婚式で置き去りにされた主人公の独白から始まり、孤独や自己喪失、家族の死に伴う悲嘆までを連続的に語る。信仰への疑念や天との対話が挿入される点が特徴で、私語のような語り口と平易な語彙が普遍的共感を誘う。自傷や絶望を想起させる表現はあるが、最終節まで一貫して感情の記録として機能する。

歴史的背景

シンガー・ソングライター隆盛期の1972年にリリースされ、米国Billboard Hot 100で6週1位、英国シングルチャートで3位の大ヒットとなった。華美な技巧よりメロディと語りを重視する当時の潮流を代表し、ラジオ時代のフォーマットにも適合。世界各国でシングルとして成功し、O'Sullivanの代表曲となった。

有名な演奏・映画での使用

本曲は多数のカバー対象となってきたが、網羅的な一覧は情報不明。特筆すべきは、1991年に米ラッパーBiz Markieの楽曲で無断サンプリングが行われ、Grand Upright Music, Ltd. v. Warner Bros. Records Inc.判決へ発展した件である。以後、サンプリングにおける事前許諾の重要性を示す判例として語り継がれる。映画・ドラマでの具体的使用作は情報不明。

現代における評価と影響

今日では70年代ポップ・バラードの標準曲の一つと見なされ、失恋と喪失を一曲で横断する構成が評価される。ストリーミング時代にも継続的に聴かれ、英語学習や訳詞研究の題材としても取り上げられることが多い。サンプリング訴訟の先例と相まって、音楽実務と創作双方で参照される存在である。

まとめ

Alone Againは、親密な独白と忘れがたい旋律で孤独の情感を描き切った名曲である。1972年の大ヒット、後年の法的事件という二つの文脈を併せ持ち、今も多様な聴き手に読み替えられ続けている。歌詞の全容を知らずとも、メロディだけで感情を喚起する力が本作の普遍性を支えている。