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Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私と)

  • 作曲: POMUS DOC,SHUMAN MORT
#R&B#洋楽ポップス#シャンソン
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Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私と) - 楽譜サンプル

Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私と)|歌詞の意味と歴史

基本情報

1960年、アトランティック・レコードからザ・ドリフターズが発表し、全米ビルボードHot 100で1位を獲得。リードはベン・E・キング。作曲・作詞はドック・ポーマスとモート・シューマンの名コンビ。スロウ〜ミディアムのドゥーワップ/ポップ路線で、豊かなコーラスとストリングスが映えるアレンジが特徴。以後、世代やジャンルを越えて数多くのアーティストにカバーされる定番曲となった。

歌詞のテーマと意味

パーティで恋人が誰と踊ってもよいが、“最後の一曲は自分と踊ってほしい”という、信頼と独占欲の微妙な均衡を描く。軽やかな社交の場に潜む不安や嫉妬を抑えつつ、互いの境界線を尊重する成熟した関係の約束を優しく伝える内容だ。甘いロマンスに留まらず、パートナーシップのルールを端的に示す普遍性が長く支持されている。

歴史的背景

歌詞は、幼少期のポリオ後遺症で杖や車椅子を用いたドック・ポーマスが、自身の結婚式で花嫁がゲストと踊る姿を見た体験に着想を得たとされる。モート・シューマンが旋律を付け、当時の制作陣(リーバー&ストーラーら)のもとで録音。アール&ビーのグルーヴに洗練されたポップ感覚を融合し、都会的なサウンドで大衆に届くクロスオーバー・ヒットを生んだ。

有名な演奏・映画での使用

代表的カバーには、エミルー・ハリス(1978)、ドリー・パートン(1983、全米カントリー1位)、マイケル・ブーブレなどがある。カントリー、ソウル、ポップへ自在に解釈され、結婚式やダンスイベントの定番曲として世界的に親しまれている。映画・ドラマ・CMでの使用例もあるが、具体的な作品名は情報不明。

現代における評価と影響

本作はオールディーズの名曲としてストリーミング時代にも聴かれ続け、恋愛における信頼や節度を歌うメッセージが新世代にも通用している。多ジャンルでヒットしたカバー群はソングライティングの強度を物語り、ベン・E・キングの情感豊かなリードと相まって、ポップとR&Bの橋渡しを象徴する楽曲として評価が定着している。

まとめ

シンプルな語彙で関係の約束を描いたこの歌は、個人的体験に根差しつつ普遍性へと昇華された稀有なポップ・ソングである。1960年のドリフターズ版から多数のカバーへと受け継がれ、祝祭の場を温かく締めくくる“最後の一曲”として、いまなお幅広いリスナーに愛され続けている。