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Green Green Grass Of Home

  • 作曲: PUTMAN CURLY,PUTMAN CLAUDE JR
#洋楽ポップス
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Green Green Grass Of Home - 楽譜サンプル

Green Green Grass Of Home|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Green Green Grass Of Home」は、カーレー・プットマン(Claude “Curly” Putman Jr.)による作品。1960年代半ばに発表されたカントリー系の歌ものバラッドで、ポーター・ワゴナーが1965年に取り上げて注目を集め、続くトム・ジョーンズの1966年のカバーによって世界的に広く知られるようになった。日本では「想い出のグリーン・グラス」といった表記で紹介されることもある。シンプルなコード進行に乗る旋律と、映画のような語り口が特徴で、以後スタンダードとして多くの歌手に歌い継がれている。

歌詞のテーマと意味

物語の語り手は、故郷に帰り家族や恋人に迎えられる幸福な情景を描写する。だが中盤でそれが夢であったことが明かされ、実際には独房で処刑を待つ囚人の独白であると判明する。再び見える「故郷の緑の草」は、帰還の象徴であると同時に墓前の大地を思わせ、希望と終焉が二重写しになる。鮮烈などんでん返しにより、郷愁・罪・救済といった重層的な主題が立ち上がり、聴き手は“帰る場所”の意味を問い直される。印象的なリフレインは、物語の転調後により深い感情の陰影を帯び、歌手の表現力を強く要請する。

歴史的背景

1960年代のナッシュビルでは、物語性に富むバラッドが数多く生まれ、カントリーとポップの越境も進んだ。本作はその潮流を体現しており、簡潔な語彙と視覚的描写、道徳的・叙情的テーマの統合が特徴だ。ワゴナーの素朴で骨太な歌唱はカントリーの枠で支持を広げ、トム・ジョーンズ版はストリングスを伴う大仰なポップ・アレンジでドラマ性を増幅し、国境とジャンルを越えるヒットへと押し上げた。

有名な演奏・映画での使用

代表的録音はポーター・ワゴナー版(1965年)とトム・ジョーンズ版(1966年)。後者は各国で大ヒットとなり、以後コンサート定番曲として定着した。幅広い歌手がカバーしているが、主要アーティストの網羅的リストや映画での顕著な使用例については情報不明。いずれの演奏も語りの転換点をどう表現するかが肝で、テンポ、ダイナミクス、間合いの解釈が聴きどころとなる。

現代における評価と影響

「帰郷」と「死」をめぐる普遍的テーマ、覚えやすいメロディ、そして意表を突く物語構造により、現在も幅広い層に訴求する。ライブでは物語の緊張感を持続させる表現力が試され、歌手の解釈の違いが際立つレパートリーとして愛好されている。カントリー~ポップのクロスオーバー史においても重要で、後続の物語型バラッドやカバー文化に影響を与え続けている。

まとめ

Green Green Grass Of Homeは、物語性と普遍的情感を兼ね備えたカントリー・バラッドの名曲である。夢と現実、希望と終末を同時に照らす象徴表現が強烈な余韻を残し、ジャンルの枠を越えて歌い継がれてきた。初演から半世紀以上を経ても、その“緑の草”が喚起する記憶と救済のイメージは色褪せない。