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Out Of Nowhere
- 作曲: GREEN JOHN

Out Of Nowhere - 楽譜サンプル
Out Of Nowhere|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Out Of Nowhereは、作曲GREEN JOHN(一般にはJohnny Greenとして知られる)による1931年の楽曲。作詞はEdward Heyman。32小節のA–B–A–C形式で、歌入り/インストの双方で親しまれるジャズ・スタンダード。初演や初出媒体は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
最大の特徴は、冒頭で長三度関係へ滑るように転調する独特の和声(いわゆるクロマチック・メディアント)。内声の半音進行や代理ドミナント、トライトーン置換が有効で、バラードからミディアム・スウィングまで幅広く演奏される。即興ではガイドトーン連結とモチーフ展開が鍵。
歴史的背景
1931年、アメリカン・ソングブック期に誕生し、ビング・クロスビーの録音で一般層にも浸透。その後はスウィング、ビバップの時代を通じて即興の素材として定着した。出版事情や初演者の詳細は情報不明だが、早期からジャズ界で標準曲として扱われた記録が多い。
有名な演奏・録音
代表的録音として、Bing Crosbyのヒット盤、Art Tatumの超絶的ピアノ演奏、Charlie Parkerらビバップ勢の鋭い再解釈が広く参照される。さらにFats NavarroのNostalgiaは本曲のコード進行にもとづく著名なコントラファクトとして知られる。各録音の細部年次は情報不明。
現代における評価と影響
現在もリアルブックに掲出され、ジャム・セッションや音大の実技・理論双方で定番。和声の意外性は作編曲の教材としても価値が高く、歌手にとっては歌詞の叙情と転調のドラマ性を両立できるレパートリーである。メディアでの使用例の網羅は情報不明だが、露出は継続的。
まとめ
突如現れる和声の飛躍がタイトルと内容を象徴し、短いフォームに豊かな物語性を生む。歌でも器楽でも映える汎用性と、時代を超えた名演の蓄積が、本曲を学習曲かつ舞台曲として不動の位置に押し上げた。今後もスタンダードとして演奏され続けるだろう。