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Over The Rainbow
- 作曲: ARLEN HAROLD

Over The Rainbow - 楽譜サンプル
Over The Rainbow|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Over The Rainbow」は作曲ハロルド・アーレン、作詞E.Y.“Yip”ハーバーグ。1939年の映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌い、アカデミー歌曲賞を受賞。以後ポピュラー/ジャズ双方の定番となった。形式は32小節AABAが一般的で、キーやテンポは版により可変。
音楽的特徴と演奏スタイル
冒頭のオクターヴ跳躍が象徴的。広い音域と持続音を伴う旋律は精密なフレージングとブレス管理を要する。和声は機能的でⅡ−Ⅴや転調が自然。ジャズではトライトーン代理や裏コード等で再ハーモナイズ。基本はバラードだが、ルバートの前奏や3拍子化など多彩に演奏される。
歴史的背景
本曲はMGM製作『オズの魔法使い』のために書かれ、物語の「希望」を象徴する主題歌として配置。ガーランドの代表曲となり、映画由来の歌がクラブや放送を通じてスタンダード化する流れを牽引した。戦後は歌手とジャズ奏者の双方で広くレパートリー化。
有名な演奏・録音
代表的録音は、基準点となるジュディ・ガーランド(1939、映画版)のほか、エラ・フィッツジェラルド『Harold Arlen Song Book』、アート・テイタムのソロ・ピアノ。さらにイズラエル・カマカヴィヴォオレのウクレレ版、エヴァ・キャシディのライヴなど、時代と編成を超えた名演が並ぶ。
現代における評価と影響
映画発の名曲がジャズ・スタンダードとして定着した代表例であり、教育現場、合唱・吹奏楽、広告やドラマでも使用が多い。AFIの映画音楽100選で第1位に選ばれるなど評価は高位を維持。配信時代でも新録と再解釈が継続している。
まとめ
普遍的な旋律美と柔軟な和声進行により、歌と器楽の双方で生命力を保つ。初演の文脈を尊重しつつ、テンポやキー、リハーモナイズで個性を出せるため、学習者からプロまで長く向き合えるスタンダードである。