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Afro Centric

  • 作曲: HENDERSON JOSEPH
#スタンダードジャズ
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Afro Centric - 楽譜サンプル

Afro Centric|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Afro Centric」は、サックス奏者ジョー・ヘンダーソン(HENDERSON JOSEPH)によるインストゥルメンタルのジャズ作品。初出としては、1969年にMilestoneから発売されたアルバム『Power to the People』に収録された演奏が広く知られている。歌詞は存在せず、テナーサックスを中心とした小編成コンボで演奏されるのが通例。調性や拍子、初演時の細部データは情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

ヘンダーソンらしい端的なモチーフを反復・変形しながら展開する構造と、モーダルな和声感が核となる。アフロ・ディアスポラ由来の推進力あるビート感を想起させるタイトルどおり、リズム・セクションのシンコペーションと空間の扱いが即興の余白を大きく作り出す。フレージングは拍の表裏を巧みに行き来し、ドラムとベースの対話に乗ってテナーがダイナミックに拡張する。初出テイクでの鍵盤楽器の種類や、曲固有の形式・テンポ等の詳細は情報不明。

歴史的背景

1960年代末のジャズは、ポスト・バップ以降の語法に電気楽器の導入やリズムの多様化が加わり、表現が一段と開かれていった時期である。『Power to the People』期のヘンダーソンは、高度な作曲性と先鋭的なアンサンブル設計を両立させ、本曲もその流れの中で位置づけられる。タイトルが示す文化的視座の意図について作家本人の直接的言及は情報不明だが、当時の社会状況と共振して受け止められてきた。

有名な演奏・録音

代表的音源は前述の『Power to the People』収録テイク。セッションにはジョー・ヘンダーソン(ts)に加え、ハービー・ハンコック(p/ep)、ロン・カーター(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、マイク・ローレンス(tp, flh)が参加している。再発やリマスター盤で音質的に改善されたヴァージョンも流通しており、ライブ録音や他ミュージシャンによるカバーの網羅的情報は情報不明。

現代における評価と影響

ヘンダーソン作品群の中では「Inner Urge」「Recorda-Me」ほどの定番度ではないものの、作曲者特有の旋律処理とモーダルな設計を学ぶ教材として注目されることが多い。リズム・セクションの相互作用を前面に押し出す構成は、現代ジャズのアンサンブル運用にも通じ、若手奏者のレパートリーとして継続的に取り上げられている。

まとめ

総じて「Afro Centric」は、1969年前後のジョー・ヘンダーソンの創造性を映すインストゥルメンタル曲であり、端的な素材から豊かな即興空間を生み出す設計が魅力である。基本情報の一部は情報不明だが、ヘンダーソン語法を知るうえで重要な一曲として聴取に値する。