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All My Tomorrows

  • 作曲: VAN HEUSEN JIMMY, CAHN SAMMY
#スタンダードジャズ
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All My Tomorrows - 楽譜サンプル

All My Tomorrows|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「All My Tomorrows」は、作曲ジミー・ヴァン・ヒューゼン、作詞サミー・カーンによるバラード。1959年公開の映画“A Hole in the Head”でフランク・シナトラが歌い初出となった。以後、ジャズ/伝統的ポップスのレパートリーとして広く親しまれている。歌詞は、過去のつまずきを受け止めつつ、これからの“明日”に恋と希望を託す内容で、落ち着いた語り口とロマンティックな余韻が魅力。正式なキーや初演時の編成の詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポはスローからミディアム・スローのバラードが基本。滑らかな旋律線が長いブレスを要し、レガート主体のフレージングと繊細なダイナミクス設計が求められる。コード進行は豊かな和声色をもち、終止へ向けて希望を感じさせる上行的なメロディ処理が印象的。ジャズではピアノ・トリオやギターを中心に、イントロで自由なルバートを置き、後半でテンポを確立する解釈が一般的。ストリングスを加えたオーケストラ編成でも映え、低音域の包容感と高音域のエモーショナルな頂点づくりが聴きどころとなる。

歴史的背景

1950年代後半は、カーン&ヴァン・ヒューゼンがシナトラと数々の名曲を生み出した時期で、本作もその流れにある。同じ映画には「High Hopes」も含まれ、当時のハリウッドにおけるスタジオ・ソングライティングの成熟を象徴した。公開後、「All My Tomorrows」は映画を離れて独立したステージ・ナンバーとして歌われ、アメリカン・ソングブックの一角を占めるに至った。

有名な演奏・録音

最初期かつ決定的な歌唱はフランク・シナトラによるもの。映画版に加え、スタジオ録音やライヴでも繰り返し取り上げられ、彼の成熟したバラード解釈の代表例として認知される。以降、数多くの歌手やジャズ・インストゥルメンタリストがカバーしており、代表的録音の網羅的リストは情報不明だが、いずれも抑制の効いたテンポと語り口が鍵となる。

現代における評価と影響

今日では、バラードの表現力を磨く教材曲として音大やワークショップのレパートリーにしばしば選ばれる。歌詞の成熟した視点は世代を超えて共感を呼び、ナイトクラブやジャズ・クラブの深い時間帯を演出する定番として定着。映画やドラマでの二次使用に関する網羅情報は情報不明だが、スタンダード化した楽曲として安定した需要を保ち続けている。

まとめ

映画発のロマンティック・バラードから出発し、現在はジャズ・スタンダードとして愛される「All My Tomorrows」。希望と再生を静かに語るメロディは、時代を越えて演奏者と聴き手の心を結び続けている。