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Always And Forever

  • 作曲: METHENY PAT
#スタンダードジャズ#フュージョン
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Always And Forever - 楽譜サンプル

Always And Forever|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Always And Forever」は、ギタリスト/作曲家パット・メセニー(表記:METHENY PAT)によるインストゥルメンタル楽曲。初出はアルバム『Secret Story』(1992年)で、同作の中でも特にメロディの美しさが際立つ楽曲として知られます。歌詞は存在せず、作詞者は情報不明。穏やかなテンポと透明感ある音響設計が特徴で、コンサートでもファンの支持が厚い一曲です。

音楽的特徴と演奏スタイル

静謐なイントロから、クリーントーンのギターが歌うように旋律を紡ぎ、シンプルな主題を軸にダイナミクスと音色変化で物語性を築きます。和声は拡張和音を用いながらも過度に複雑にならず、余白を活かした配置で空間的な広がりを形成。キーボードや淡いパーカッションが薄く支え、サステインとリバーブが長い余韻を描きます。演奏ではフレーズ末尾の減衰コントロール、ビブラートの品位、間(ま)の取り方が要点。アドリブは主題のモチーフを変奏し、音域の対比でクライマックスを作るアプローチが効果的です。

歴史的背景

『Secret Story』はメセニーのキャリアでも大規模なスタジオ作品として位置づけられ、広がりのある音響設計と緻密なプロダクションで評価されました。ワールドミュージック的要素やオーケストラルな質感を背景に、内省と叙情を兼ね備えた本曲はアルバムの重要な柱となっています。1980年代のグループ・サウンドを経て、物語性と映像的なサウンドスケープを深めた時期の代表例と言えるでしょう。

有名な演奏・録音

基準となるのはスタジオ版『Secret Story』(1992年)収録テイク。加えて、ツアーの熱量を伝えるライヴ盤『The Road to You』(1993年)にも収録され、よりダイナミックな表現と間合いの変化が聴きどころです。これら2つの公式リリースは、楽曲理解と演奏研究の出発点として広く参照されています。

現代における評価と影響

「Always And Forever」は、メセニーの抒情的側面を象徴するバラードとして長く愛聴され、ストリーミング時代においてもプレイリストで存在感を保っています。テクニックの誇示よりも音楽的語り口を重視する姿勢は、多くのギタリストや作編曲家に影響を与え、バラード解釈の手本としても引用されます。穏やかでありながら深い情感を湛え、年代やジャンルを超えて支持される点が、現在も評価を高め続ける理由です。

まとめ

本曲は、シンプルな主題と洗練されたサウンドデザインで、静けさの中に強い物語性を宿すインストゥルメンタルの佳品。『Secret Story』版で構築美を、ライヴ版で呼吸感を味わうことで、楽曲の多面的な魅力がより鮮明になります。歌詞は情報不明ながら、言葉を超えて感情を伝えるメセニーの作曲美学を体現する一曲です。