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Always There

  • 作曲: LAWS RONNIE, JEFFERY WILLIAM
#フュージョン
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Always There - 楽譜サンプル

Always There|楽曲の特徴と歴史

基本情報

『Always There』はサックス奏者ロニー・ロウズとドラマーのウィリアム・ジェフリー(Jeffery William)による共作で、1975年発表のアルバム『Pressure Sensitive』に収録されたインストゥルメンタル曲。レーベルはBlue Note。原曲は歌詞を持たないジャズ・ファンクの代表的ナンバーとして知られ、その後の多くのアーティストにカバーされている。作詞者情報は不明だが、後年のヴォーカル版によってクラブ/ポップ文脈でも広く浸透した。

音楽的特徴と演奏スタイル

タイトなドラムとシンコペーションの効いたベースが生むドライブ感、クラビネットやエレピのリフ、そこに乗るソプラノサックスの印象的なメロディが核。反復的なヴァンプを土台に、ソロイストが躍動する設計で、モーダルな和声感とリズムの推進力がグルーヴを持続させる。ブレイクからテーマ回帰までのダイナミクス処理が秀逸で、ファンクの即効性とジャズの即興性が高いレベルで共存している。クラブでも映える明確なフックと、ライブで拡張しやすい構造が長寿命化の要因となった。

歴史的背景

1970年代半ば、ジャズはソウル/ファンクと交差し、クロスオーバー化が進展。Blue Noteも時代の潮流に呼応し、ダンサブルでラジオ適性の高い作品を送り出した。『Always There』はその文脈で誕生し、ロサンゼルスのセッション文化とクラブ・シーンの熱気を音像化。プロデュース面でも当時のジャズ/ファンク融合の手法が導入され、洗練と熱量を併せ持つサウンドが完成した。

有名な演奏・録音

・Ronnie Laws: Pressure Sensitive(1975)原曲の決定的バージョン。サックスのトーンとリズム隊の一体感が光る。・Side Effect: What You Need(1976)ヴォーカル版として知られる。作詞者は情報不明だが、ソウル寄りのアレンジで楽曲の認知を拡大。・Incognito feat. Jocelyn Brown(1991)UKアシッドジャズ文脈で再評価の決定打。クラブ・クラシックとして国際的に知られるきっかけとなった。

現代における評価と影響

『Always There』はジャズ・ファンクのスタンダード・レパートリーとして、ライブの定番やDJセットでのキラートラックとして重用される。強固なリフとシンプルなハーモニーがアレンジの自由度を高め、ビッグバンドから小編成まで適用範囲が広い。教育現場でもグルーヴ構築やモーダル即興の教材として扱われることが多く、世代を超えて演奏され続けている。

まとめ

『Always There』は、ファンクの推進力とジャズの即興性を兼備した1970年代ジャズ・ファンクの金字塔。原曲の完成度が高く、ヴォーカル化やリミックスにも耐える普遍的な骨格を持つ。カバーの広がりと現場での生命力が、その価値を今も証明し続けている。