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Devil May Care
- 作曲: DOROUGH ROBERT LROD,KIRK TERRELL P JR

Devil May Care - 楽譜サンプル
Devil May Care|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Devil May Care」は、歌詞付きで広く演奏されるジャズ・スタンダードとして知られる一曲。クレジットは「DOROUGH ROBERT LROD, KIRK TERRELL P JR」。作詞者や初出年は情報不明。タイトルの慣用句“devil-may-care”は「向こう見ず」「気にしない」の意で、楽曲のメッセージにも通じる。ボーカル曲として親しまれるが、インストゥルメンタルでも頻繁に取り上げられる。
音楽的特徴と演奏スタイル
中速〜速めのスウィングで演奏されることが多く、ウォーキング・ベースと軽快なシンコペーションが躍動感を生む。メロディは跳躍や半音階的な動きが絡み、言葉のニュアンスと相まって小気味よいフレージングを形成。ボーカルはストレートに加えスキャットを交える解釈も定番。ピアノ・トリオ、ギター中心の小編成、ビッグバンドまで編成適応性が高い。
歴史的背景
発表年は情報不明ながら、アメリカ近代ジャズが成熟した時代に生まれた曲として位置づけられる。ビバップ以降の語法を土台に、記憶に残る歌心を融合させた書法は、ポピュラーとジャズの往還が進んだミッドセンチュリーの潮流を反映。英語圏で“devil-may-care”という言い回しが一般的だったことも、タイトルの浸透に寄与した。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、作者として名の挙がるBob Doroughの自演が知られる。加えて、Diana Krallがアルバム『When I Look in Your Eyes』(1999)で取り上げ、現代的で洗練されたアレンジは広く参照されている。ほかにも多くのジャズ・シンガーやピアノ・トリオがレパートリーに加え、ライブの定番曲として定着している。
現代における評価と影響
今日ではセッションでのコール率も高く、ボーカリストのタイム感や英語発音、スウィング・フィールの練習曲として教育現場で扱われることがある。歌詞のテーマが普遍的で、年代や文脈を超えて共感を呼ぶため、ストリーミングでも継続的に聴かれる。インスト版はソロ回しの器としても機能し、編曲の自由度の高さが評価される。
まとめ
「Devil May Care」は、洒脱なメロディと“肩の力を抜く”世界観で愛されるジャズ・スタンダード。作詞者や初出年など一部に情報不明点はあるが、さまざまな編成で演奏され、世代を超えて歌い継がれてきた。これから聴く人は、テンポ感の違いやボーカルの解釈を聴き比べることで、多面的な魅力をより深く味わえるだろう。