ROOM 335
- 作曲: CARLTON LARRY E

ROOM 335 - 楽譜サンプル
ROOM 335|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「ROOM 335」は、ギタリスト兼作曲家ラリー・E・カールトン(CARLTON LARRY E)によるインストゥルメンタル。初出は1978年、アルバム『Larry Carlton』に収録された。歌詞は存在せず、ギターの旋律で構成される楽曲で、彼の代表曲として広く知られている。スタジオ版に加え、以降のツアーでも定番として演奏され、キャリアを象徴するナンバーとなった。
音楽的特徴と演奏スタイル
歌うように流れる主旋律と、クリーン寄りのトーンに軽いドライブを加えた上質なギターサウンドが核。アンサンブルはキーボード、ベース、ドラムスを中核とし、軽快な8ビートのグルーヴが楽曲を牽引する。構成はテーマ—ソロ—テーマの明快なヘッド・アレンジ。ダイアトニックを基調にテンションやブルース由来の語法を織り交ぜ、滑らかなピッキングと歌心が際立つ。
歴史的背景
1970年代後半のロサンゼルスでは、ジャズ、ロック、ソウルが交差するクロスオーバー/フュージョンが隆盛し、第一線のセッション・プレイヤーだったカールトンもその中心にいた。本曲はその文脈で生まれたソロ名義の代表作で、メロディ志向と洗練されたプロダクションの両立を体現する。曲名の由来は情報不明。
有名な演奏・録音
1978年のオリジナル・スタジオ録音は、端正なトーンと端麗なフレージングで評価が高い。その後もライブで繰り返し取り上げられ、公式に発表されたライブ音源や映像作品にも再演が収められている。ギター向けのスコアや教則コンテンツでも頻繁に扱われ、ステージやセッションの定番として広く親しまれている。
現代における評価と影響
「ROOM 335」はフュージョン/ギター・インストの定番曲として、入門者から上級者まで学びの素材になっている。クリーンさと艶のあるサステインを両立した音作りはリファレンスとしての価値が高く、多くのプレイヤーが目標とするサウンドの一例となっている。カールトンが“Mr. 335”と称される存在感を象徴する楽曲でもある。
まとめ
親しみやすい旋律、洗練されたグルーヴ、無駄のないフレージング——「ROOM 335」は演奏技術と音楽性を高次に両立させた名曲だ。初出のスタジオ版と各種ライブ版を聴き比べれば、同一テーマを基盤にしたアドリブの展開力やダイナミクス設計の妙を実感できる。今なお色褪せない、ギター・インストの指標的レパートリーである。