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Bye Bye Baby

  • 作曲: STYNE JULE
#スタンダードジャズ
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Bye Bye Baby - 楽譜サンプル

Bye Bye Baby|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Bye Bye Baby」は、作曲Jule Styne(ジュール・スタイン)、作詞Leo Robin(レオ・ロビン)によるショーチューン。初出はブロードウェイ・ミュージカル『Gentlemen Prefer Blondes(紳士は金髪がお好き)』の初演(1949)で、同作の代表的ナンバーの一つとして知られる。軽快でキャッチーなメロディと分かりやすいコーラス構成が特徴で、舞台上のアンサンブルにも独唱にも映える設計。のちに映画版でも用いられ、ブロードウェイ発のポップ・スタンダードとして広く親しまれている。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り、別れを明るく言い切るウィットに富んだ表現が核となる。嘆きや未練を前面化せず、粋で都会的な距離感で関係に区切りをつける語り口が魅力だ。ロビンの詞は二重の含意や軽い冗談めいた運びを交え、主人公の自立心や恋愛観を軽妙に描く。スタインのメロディは反復しやすいフックを備え、コール&レスポンス的な合いの手も取り入れやすい。結果として、観客との一体感を生む“別れの宣言ソング”として機能し、ショーナンバーとしての映えを最大化している。

歴史的背景

第二次世界大戦後のブロードウェイは、ジャズやスウィングの語法を吸収しつつ、明快な娯楽性を持つミュージカルが隆盛。「Bye Bye Baby」はその潮流の中で生まれ、スタインとロビンの職人的コンビネーションを示す一曲となった。同じ作品からは「Diamonds Are a Girl’s Best Friend」も生まれており、作品全体が50年代アメリカの華やかなポップカルチャー像を形作る一翼を担った。舞台の成功がサウンドトラックやカヴァー録音へ波及する当時の産業構造も、本曲の浸透を後押しした。

有名な演奏・映画での使用

本曲はブロードウェイ初演時に舞台で披露され、のちに映画『Gentlemen Prefer Blondes』(1953)でも劇中曲として登場する。映画版はマリリン・モンローとジェーン・ラッセルが主演し、作品の知名度と共に楽曲の認知も拡大した。オリジナル・ブロードウェイ・キャストによる録音や、その後のリバイバル、ショーケース、キャバレー公演などで継続的に取り上げられ、多くのヴォーカリストがレパートリーに加えている。ジャンル横断的に解釈が可能で、ジャズ寄りのアレンジでも映える点が支持される理由だ。

現代における評価と影響

「Bye Bye Baby」は、ミュージカル文脈の定番曲として歌唱オーディションやレビュー公演でも用いられる機会が多い。別れを明るく切り出すテーマは現代的な価値観にも通じ、軽快なテンポと覚えやすいフレーズは観客の反応を引き出しやすい。教育現場やワークショップでは、英語詞の発音・リズム練習、ステージングの基礎作りに適した教材としても扱われることがある。復刻盤や配信の整備により、歴史的録音と新録の比較が容易になった点も再評価を促している。

まとめ

ブロードウェイ生まれの「Bye Bye Baby」は、ウィットに富む詞とキャッチーな旋律で、舞台・映画・コンサートを横断して息長く愛されてきた。別れの歌でありながら前向きなエネルギーを帯び、時代を問わず観客を惹きつける。ミュージカル史の文脈を学ぶうえでも、スタインとロビンの作劇的手腕を体感できる重要曲といえる。