あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Close Enough For Love

  • 作曲: MANDEL JOHNNY,WILLIAMS PAUL
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Close Enough For Love - 楽譜サンプル

Close Enough For Love|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Close Enough For Love」はJohnny Mandel作曲、Paul Williams作詞。1979年公開の映画『アガサ』のラブ・テーマとして発表され、その後ジャズ・シーンで広く歌われるバラードとなった。原曲は歌詞付きの楽曲だが、器楽編でも親しまれている。公式な初演者や初録音の詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

しっとりとしたテンポのバラードで、滑らかな旋律線と繊細な和声進行が魅力。声や管のレガートを生かし、ダイナミクスの緩急で親密さを描く解釈が定番だ。イントロに自由なルバートを置き、ピアノ・トリオやギター・デュオを基調に、必要に応じてストリングスを加える編成もよく用いられる。

歴史的背景

映画音楽の名匠として知られるマンデルが『アガサ』のために書いた楽曲で、映画公開と同時期にスタンドアローンの歌としても流通した。ポール・ウィリアムズの歌詞は「完璧でなくとも、互いを大切に思う距離」を優しく肯定する内容で、作品のロマンティックなムードと響き合う。歌詞の全訳・全文はここでは掲載しない。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、ペギー・リーがアルバム『Close Enough for Love』(1979)で取り上げ、題名曲として広く知らしめた。続いてシャーリー・ホーンも『Close Enough for Love』(1989)で深い解釈を聴かせ、以後ボーカル/インスト双方のレパートリーに定着。ほか多数のアーティストによる録音が存在する。

現代における評価と影響

今日では、ジャズ・クラブやリサイタルでの定番バラードの一つ。過度な技巧を避け、言葉とメロディを尊重する表現が評価される。音大やワークショップでも、歌伴やバラードのダイナミクスを学ぶ教材として取り上げられることがあり、作曲面ではマンデル流の洗練された和声感の好例として研究対象にもなる。

まとめ

映画発のラブ・バラードとして生まれ、豊かな旋律と含みのある歌詞でスタンダード化した「Close Enough For Love」。ペギー・リーやシャーリー・ホーンの名唱により楽曲の魅力は広く共有され、現在も多くの演奏家が新たな解釈を重ねている。静かな情感を湛えた一曲を探すなら、まず本作を候補にしたい。