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Conference Of The Birds

  • 作曲: HOLLAND DAVID
#スタンダードジャズ#フュージョン
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Conference Of The Birds - 楽譜サンプル

Conference Of The Birds|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Conference Of The Birdsは、ベーシストのデイヴ・ホランド(HOLLAND DAVID)によるインストゥルメンタル曲で、1973年にECMから発表された同名アルバムの表題曲。編成はアンソニー・ブラクストン、サム・リヴァースの二管に、ホランド(ベース)、バリー・アルトシュル(ドラムス)のカルテット。歌詞は存在せず、作詞者は情報不明。モダン/アヴァンギャルド志向の小編成ジャズとして知られ、作曲と即興の緊密な関係が核にある。

音楽的特徴と演奏スタイル

ミニマルで印象的な主題を手掛かりに、開放的なフォームと集合的即興が展開するのが最大の特徴。二管はサックスに加え持ち替えも交え、音色の対比と重なりで変化を生む。ベースは単なる伴奏に留まらず、動機提示や推進力の中核を担い、ドラムはパルスを固定せず色彩的に響きを支える。テンポは固定と可変を往還し、静寂や余白の扱いが緊張感を高める。フレーズの密度・音域配置・ダイナミクスのコントロールが巧みで、室内楽的な透明感と自由度の高いインタープレイが共存している。

歴史的背景

ホランドは1960年代末にマイルス・デイヴィス・グループで国際的に注目され、その後フリー/前衛志向の探究を深める過程でECMの美学と結び付いた。本曲を含むアルバムは1973年に発表され、作曲と即興の均衡を再定義する転機的作品となった。共演のブラクストンとアルトシュルは先鋭的な即興の文脈でホランドと交流があり、リヴァースは多楽器使いとして音響的レンジを拡張。録音年・場所は情報不明だが、当時のヨーロッパ系ジャズの審美とアメリカ前衛潮流の交差点を映している。

有名な演奏・録音

決定的なリファレンスは、ECMからのオリジナル録音で、二管とリズム隊が主題提示と自由即興を往還する構成が鮮烈に記録されている。音色の持ち替えやダイナミクス設計、音響空間の使い方は作品理解の基準点として広く参照される。これ以外の同曲に関する代表的再録・決定的なカバーの網羅情報は情報不明だが、リスナーや演奏家の間では原盤が最重要の参照源とされている。

現代における評価と影響

本曲は、小編成での集合即興を設計する手本として高く評価されてきた。特に、低音から動機を提示してフォーム全体を牽引するベースの役割、余白と静寂を活かしたダイナミクス運用、そしてドラムの色彩的アプローチは、ECM系室内楽的ジャズから現代インプロまで広く影響を与えた。教育現場でも分析対象として取り上げられることが多く、作編曲と即興の接点を学ぶうえで示唆に富む。評論面でも、透明感と自由度の両立を示した重要曲として位置づけられている。

まとめ

Conference Of The Birdsは、簡潔な主題と開かれたフォームを軸に、音色と空間の設計で深い物語性を生む現代ジャズの金字塔である。オリジナル録音を聴くことで、編成運用・ダイナミクス・集合即興の要点が具体的に理解できる。周辺情報に一部情報不明はあるものの、作品そのものの鮮度と影響力は揺るぎなく、今なお探究と再発見に値する。