あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Don't Go To Strangers

  • 作曲: EVANS REDD
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Don't Go To Strangers - 楽譜サンプル

Don't Go To Strangers|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Don't Go To Strangers」は、1960年前後に発表されたジャズ・バラード。クレジットはRedd Evans、Arthur Kent、David Mann。Etta Jonesが同年に録音し、同名アルバムの表題曲として広く知られるようになった。恋人に「見知らぬ人のもとへ行かないで」と語りかける内容で、ヴォーカル・レパートリーの定番となっている。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポはスローからミディアム・スロー。穏やかな旋律線に、II-V進行を多用した柔らかな和声が重なる。フレーズの間に十分な間合いがあり、歌手の呼吸やビブラート、語り口が表現の鍵になる。小編成のピアノ・トリオにテナーサックスがオブリガートを添える編成がよく似合い、アドリブは抑制の効いたメロディックなアプローチが主流。

歴史的背景

1960年前後のアメリカ音楽界では、ポップとジャズが交差する洗練されたバラードが数多く生まれた。本曲もその潮流に位置し、都会的で成熟したロマンスを描く歌詞と、クラブやラジオで映える親しみやすさを併せ持つ。Etta Jonesの録音を契機に、ジャズ・クラブの定番曲として歌い継がれ、以後多数の歌手がレパートリーに加えた。

有名な演奏・録音

Etta Jonesの1960年録音(Prestigeレーベル)が代表的で、彼女の代表曲として定着。その後も多くのジャズ・ヴォーカリストやサックス奏者が録音・演奏している。ピアノを中心にした親密なアレンジから、ストリングスを配したバラードまで解釈は幅広い。具体的な映画使用やチャート成績の詳細は情報不明。

現代における評価と影響

今日では“失恋と未練”をテーマにしたスタンダードとして認知され、ボーカルの表現力や英語のディクションを磨く教材的曲としても扱われることがある。配信時代でもプレイリストやライヴで安定した人気を保ち、ジャズ入門者がバラード表現を学ぶ入口として推奨されることも多い。

まとめ

「Don't Go To Strangers」は、シンプルな旋律と洗練された和声、等身大の言葉が織りなす名バラード。過度な技巧を競うよりも、間合いと説得力で聴かせるタイプの曲で、歌手・器楽奏者ともに音楽的成熟が問われる。録音や編成を問わず魅力が映えるため、長年にわたりスタンダードの地位を保ち続けている。