アーティスト情報なし
Doodlin
- 作曲: SILVER HORACE

Doodlin - 楽譜サンプル
Doodlin|楽曲の特徴と歴史
基本情報
ホレス・シルヴァー作曲のDoodlinは、1954年録音・1955年発表のBlue Note盤『Horace Silver and the Jazz Messengers』で初出。12小節ブルースを基盤とするハードバップ代表曲で、当初はインストゥルメンタルとして広まり、のちにジョン・ヘンドリックスが歌詞を付けたヴォーカル版も普及した。
音楽的特徴と演奏スタイル
親しみやすい反復リフとシャッフル気味のスウィンギーなグルーヴが核。コール&レスポンス、ストップタイムのブレイク、ブルーノートを効かせたフレージングが要点。アドリブは12小節ブルースの語法を軸に、モチーフ反復やゴスペル由来の装飾で展開されることが多い。
歴史的背景
1950年代半ば、ビバップの技巧とゴスペル/ブルースの土臭さを結び付けた“ハードバップ”が台頭。シルヴァーとブレイキーのコンボはその旗手で、Doodlinは都会的でファンキーな路線を象徴した。耳なじみの良さはクラブやラジオで支持を集め、ブルーノートの美学を広めた。
有名な演奏・録音
代表的録音は、Horace Silver and the Jazz Messengers名義のスタジオ版(Blue Note)。続いてArt Blakey & The Jazz Messengersがライブ定番とし、Lambert, Hendricks & Rossがジョン・ヘンドリックス詞の歌唱版を録音。Ray Charlesも取り上げ、R&B寄りの解釈で人気を博した。
現代における評価と影響
現在もジャム・セッションや教育現場の定番。シンプルな12小節構造で入門者に取り組みやすく、同時にグルーヴやダイナミクスで差が出るため上級者も腕を試せる。リズム・セクションの“押し引き”やホーンのユニゾン精度を学ぶ題材として重宝される。
まとめ
Doodlinは、覚えやすいリフとブルース語法でハードバップの魅力を凝縮した名曲。オリジナルのインスト版から歌詞付きヴォーカル版まで解釈の幅が広く、演奏者にも聴き手にも開かれている。再生履歴に残る“初めの一曲”としても、長く愛され続けるだろう。