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Equinox

  • 作曲: COLTRANE JOHN
#スタンダードジャズ
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Equinox - 楽譜サンプル

Equinox|楽曲の特徴と歴史

基本情報

John Coltrane作曲の「Equinox」は、1960年録音、アルバム『Coltrane’s Sound』(Atlantic)で1964年に発表されたインストゥルメンタル曲。編成はテナー・サックス、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット。作詞者は情報不明。形式は12小節のマイナー・ブルースで、中庸からスローのテンポが標準。暗く深みのあるサウンドと簡潔なテーマが特徴だ。

音楽的特徴と演奏スタイル

ベースのペダル・ポイントとシンプルなリフが土台を作り、テナーが低音域を活かして陰影を描く。アドリブはブルース語法とモーダル志向が交差し、ペンタトニックや半音階的アプローチが要。ピアノはクォータルな和声や空白を活かし、ドラムはロールとシンバル・ワークで呼吸感を支える。ダークで瞑想的な音像が全体を統一する。

歴史的背景

本作はアトランティック期、コルトレーンが表現語彙を拡張していた1960年のセッションで録音。同時期の作品群とともに、モードとブルースの統合を推し進めた。曲名は昼夜が等分される“分点”を意味し、しばしば彼の誕生日(9月23日)との関連が語られるが、作曲者自身の公式な説明は情報不明。録音から数年を経て1964年にリリースされた。

有名な演奏・録音

決定的な参照は『Coltrane’s Sound』収録のオリジナル・テイク。以後、テナーやソプラノのみならず、ピアノ・トリオやギター・カルテットなど多様な編成で採り上げられ、セッションの常備曲となった。映画やドラマでの顕著な使用については情報不明だが、ライブ現場では季節感やセットの緩急作りに重宝されている。

現代における評価と影響

「Equinox」は、シンプルな構造と広い解釈余地を併せ持つ教材的価値でも高く評価される。音域配置、モチーフ反復、ペダル上の緊張緩和といった設計は、現代ジャズの作曲・編曲にも影響を及ぼした。学生のアンサンブルからプロのステージまで息長く演奏され、ダーク・トーンの表現モデルとして参照され続けている。

まとめ

ミニマルな主題とマイナー・ブルースの懐深さ、モード的探求心が同居する「Equinox」は、コルトレーン作品の中でも演奏者に自由と課題を同時に与える1曲だ。初学者はフォームと音価のコントロールから、上級者は音色設計と空白の使い方まで磨ける。録音年1960、発表年1964という歩みも含め、現在もなお色褪せない。