あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Yardbird Suite

  • 作曲: PARKER CHARLES CHRISTOPHER JR
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Yardbird Suite - 楽譜サンプル

Yardbird Suite|楽曲の特徴と歴史

基本情報

チャーリー・パーカー(本名: Charles Christopher Parker Jr.)が作曲したビバップの代表曲。タイトルの“Yardbird”は彼の愛称“Bird”に由来し、自身のスタイル宣言とも言える位置づけを持つ。初演・初録音はパーカー名義のセッションで広く知られ、現在はジャズ・スタンダードとして世界中で演奏される。

音楽的特徴と演奏スタイル

鋭いシンコペーションと跳躍を伴うメロディ、連鎖するⅡ–V進行に乗る流麗なラインが特徴。中速から速めのスウィングで演奏されることが多く、テーマのアーティキュレーションと和声把握が成否を左右する。ソロではモチーフ展開とビバップ語法(アプローチノート、エンクロージャー等)が効果的。

歴史的背景

1940年代半ば、スウィングからビバップへと様式が転換する只中で生まれた。本作は1946年、Dialレーベルのセッションで録音され、戦後ジャズの新語法を示す実例として注目を集めた。タイトルに“Suite”を冠しつつも室内楽的ではなく、コンボの即興美学を前面に出した点が時代感を雄弁に物語る。

有名な演奏・録音

基準として挙げられるのはパーカー自身の1946年録音。以後、多くのサックス奏者やコンボが取り上げ、ジャム・セッションの定番となった。特にウエストコースト勢を代表するアルト奏者アート・ペッパーによる演奏は、クールな語り口と明快なフレージングで広く親しまれている。

現代における評価と影響

今日ではジャズ教育でも頻出し、アンサンブルやアドリブ学習の教材として重用される。配信時代に入り録音もさらに蓄積され、解説書・トランスクリプションも豊富。パーカー語法を理解する入口として、またビバップのリズムと和声運動を体感できる格好のレパートリーとして評価が定着している。

まとめ

Yardbird Suiteは、ビバップの核心であるスウィング感、和声運動、メロディの機動力を凝縮した一曲。歴史的意義と実践的価値を併せ持ち、聴き手にとっては時代の息吹を、演奏者にとっては語彙と技術の鍛錬機会を提供する。まずはパーカー盤を起点に、世代を超えた多様な解釈を聴き比べたい。