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Anos dourados

  • 作曲: JOBIM ANTONIO CARLOS,HOLLANDA CHICO,BUARQUE DE HOLLANDA FRANCISCO,BUARQUE CHICO
#ボサノバ
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Anos dourados - 楽譜サンプル

Anos dourados|歌詞の意味と歴史

基本情報

Anos douradosは、Antônio Carlos Jobim(トム・ジョビン)作曲、Chico Buarque(シコ・ブアルキ)作詞のポルトガル語曲。ジャンルはボサノヴァ/MPBに位置づけられる。発表年は情報不明。穏やかなビートに乗る抒情的な旋律と、洗練されたコード進行が核で、タイトルはポルトガル語で「黄金時代」を意味する。歌もののバラードとして、親密なムードと都会的な気品を併せ持つ。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り、過ぎ去った日々への郷愁と、取り戻せない恋の記憶を静かに見つめる内容。直接的に嘆くのではなく、抑制された語り口で「サウダージ」を描くのが特徴だ。季節や時間の移ろいを思わせる比喩が散りばめられ、現在と過去を往還する内省的な独白として進む。耳に残るフレーズが多いが、語感の余韻を大切にしており、解釈の余地が豊かで聴き手それぞれの記憶に響く。

歴史的背景

ジョビンはボサノヴァの確立者、ブアルキは社会性と詩的精度を備えた作詞・作曲家として知られる。両者は複数の共作を残し、本曲もその系譜にある。ボサノヴァの和声的洗練とMPB的な言語感覚が交差し、ブラジル音楽が内包する静かなエレガンスを体現。流行の文脈を越え、歌詞と旋律の結びつきを重視するブラジル的ソングライティングの美徳が結晶化している。

有名な演奏・映画での使用

本曲の初出や特定の映画・ドラマでの使用については情報不明。ただし、歌もののレパートリーとしてライブや録音で取り上げられる機会は多く、弾き語りから小編成のボッサ・アレンジ、ピアノ・トリオを軸にした室内楽的アプローチまで幅広く適応する。キー変更やテンポの調整にも耐える構造のため、歌手の声質や言葉の強弱に合わせた多彩な解釈が可能だ。

現代における評価と影響

豊かなコード進行と旋律美は、歌手・ギタリスト・ピアニストの教材としても愛好され、ポルトガル語の韻律とメロディが高い次元で噛み合う例としてしばしば参照される。感情の過剰な露出を避けつつ、内側で熱を帯びる表現は、現代のシンガーソングライターやジャズ志向の演奏家にも示唆を与え、国境を越えて歌い継がれている。

まとめ

Anos douradosは、静けさの中に深い感情を湛えるボサノヴァ/MPBの佳品。詩的な言葉と高度な和声が普遍的な郷愁を洗練された形で届ける。詳細な初出情報は情報不明ながら、演奏解釈の余地が広く、世代やジャンルを超えて生き続ける現代的古典と言える。