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Feels So Good

  • 作曲: MANGIONE CHUCK
#スタンダードジャズ
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Feels So Good - 楽譜サンプル

Feels So Good|楽曲の特徴と歴史

基本情報

チャック・マンジョーネ作曲のFeels So Goodは、1977年にA&Mレコードから発表されたインストゥルメンタル曲。フリューゲルホルンを主旋律に据えた彼の代表作で、翌1978年にシングルとして大ヒット。ビルボードHot 100で4位、Adult Contemporaryで1位を記録し、同時代の器楽曲としては稀な商業的成功を収めた。アルバム版の長尺と、短縮したシングル・エディットが存在する。

音楽的特徴と演奏スタイル

滑らかなメロディと軽快なミッドテンポのグルーヴが核。温かみのあるフリューゲルホルンの音色に、エレクトリック・ピアノ、クリーンなリズム・ギター、タイトなリズム隊が寄り添う。中間部ではグラント・ガイスマンのギター・ソロが爽快に展開し、ポップな和声運びとジャズ由来のアドリブが心地よく交差する。アレンジは過度に技巧に走らず、旋律美を前面化する設計が聴きやすさを支える。

歴史的背景

1970年代後半、ジャズ・フュージョンやクロスオーバーが台頭し、ラジオでも器楽曲が受容された時期に登場。マンジョーネはクラシックなジャズ語法とポップ感覚を橋渡しし、幅広いリスナーを獲得した。オーケストレーションをシンプルに保ちつつメロディを際立たせる美学は、同時代のスムース・ジャズの潮流とも響き合う。

有名な演奏・録音

スタジオのオリジナルに加え、1978年のハリウッド・ボウル公演を収めたライヴ盤での拡張版が人気。ガイスマンのソロは同曲のハイライトとして知られる。テレビアニメ『キング・オブ・ザ・ヒル』ではマンジョーネ本人が登場し、同曲が繰り返し引用されたことでも話題になった。教育現場やブラス/ジャズアンサンブルのレパートリーとしても定着している。

現代における評価と影響

今日ではスムース・ジャズの象徴的ナンバーとして定評があり、ポップ市場で成功した器楽曲の好例としてしばしば言及される。フリューゲルホルンの魅力を一般層に広く伝えた功績は大きく、ラジオや配信プレイリストでも安定した人気を保つ。メロディ主導の設計は広告やイベントBGMにも適合し、世代を超えて親しまれている。

まとめ

Feels So Goodは、歌のない器楽曲でありながら、覚えやすい旋律と洗練された演奏で大衆性と芸術性を両立させた名曲。マンジョーネの音楽観を端的に示すこの一曲は、今なお軽やかな高揚感でリスナーを包み、時代の隔たりなく聴き継がれている。