Four In One
- 作曲: MONK THELONIOUS S

Four In One - 楽譜サンプル
Four In One|楽曲の特徴と歴史
基本情報
セロニアス・モンク作曲「Four In One」は、モダン・ジャズを象徴するレパートリー。初出録音は1951年のBlue Noteセッションとされ、以後モンク自身と多くの奏者に演奏されてきた。原曲はインストゥルメンタルで、個性的な旋律と鋭いリズム処理で知られる。
音楽的特徴と演奏スタイル
最大の特徴は、角ばったモチーフが休符とシンコペーションで切り立つ独特のヘッド。半音階的装飾や大胆な跳躍が多く、裏拍を強調するアクセントが難所となる。和声はモンク語法に典型的な全音階系の響きやトライトーンの緊張感を含み、伴奏は“間”を生かした疎密の対比が要。多くの演奏で中高速テンポが選ばれ、ソロは明確なタイム感が求められる。
歴史的背景
戦後ニューヨークでビバップが成熟したのち、モンクは独自の作曲美学を推し進めた。Blue Note期(1947〜1952頃)に生まれた本曲は、その探求の核心を示す一例で、メロディ・リズム・和声の拮抗が当時も現在も異彩を放つ。初演や細かな制作経緯は情報不明。
有名な演奏・録音
代表的録音として、モンク自身の1951年録音(Blue Note)が広く参照される。ソプラノサックス奏者スティーヴ・レイシーも、モンク作品集『Reflections』(1958)で取り上げた。ほかにも多様な編成の名演があるが、網羅的な曲目リストは情報不明。
現代における評価と影響
現在もジャズ教育やセッションの重要曲として扱われ、独特のアクセントと旋律処理は奏者のリズム認識を鍛える教材として有用。編曲ではユニゾンのヘッドを分散させる手法や、テンポを落として角度を際立たせる解釈も見られる。大衆メディアでの使用は情報不明。
まとめ
「Four In One」は、モンクの創意が凝縮された難曲にして名曲。鋭利なヘッドと緊張感ある和声は、今なお奏者と聴き手に発見をもたらす。原典と多様な録音を往復すれば、本曲の魅力が立体的に立ち上がるだろう。