Let Me Try Again
- 作曲: CARAVELLI,ROMUALD

Let Me Try Again - 楽譜サンプル
Let Me Try Again|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Let Me Try Again」は、CARAVELLIとROMUALDによるフランス曲「Laisse-moi le temps」を英語化したバラード。英語詞はPaul AnkaとSammy Cahn、仏語詞はMichel Jourdan。最も広く知られる録音はFrank Sinatraが1973年に発表したアルバム「Ol’ Blue Eyes Is Back」に収めたバージョン。初出年や初演の詳細は情報不明だが、叙情的なメロディと大編成伴奏で歌われるポップ・スタンダードとして定着している。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す通り「もう一度やり直したい」という切実な懇願が核となる。過ちを認め、別れを招いた責任を受け止めたうえで、相手に時間と機会を求める語り口が特徴。自己弁護ではなく成熟した反省を前提に、関係の再生を誠実に願う構図が聴き手の共感を呼ぶ。英語版でも仏語版でも、核心は後悔と希望の均衡に置かれている。
歴史的背景
原曲「Laisse-moi le temps」は1970年代初頭のフランス歌謡界から生まれ、のちにPaul Ankaの提案で英語詞が付与されて国際的に広まった。Sinatraの録音は活動再開期を象徴する一曲として注目され、ラウンジからコンサートホールまで幅広い場で歌われる契機となった。出版や初演の具体的データは情報不明。
有名な演奏・映画での使用
代表的な演奏はFrank Sinatra(1973)。さらにPaul Anka自身の録音、原曲を歌ったRomualdのパフォーマンスも言及に値する。オーケストラ伴奏での壮麗なアレンジから、ピアノ主体の密やかな伴奏まで、表情の幅が広い。映画での顕著な使用例は情報不明。
現代における評価と影響
現代でもクロスオーバー系の男性・女性ボーカルがレパートリーに取り入れる定番曲。力任せに高揚させず、節度あるダイナミクスと語りの間合いで感情を積み上げる歌唱が好まれるため、音大やボーカルスクールの実演教材としても扱われることがある。配信時代でも失恋と再起の普遍的モチーフとして支持が続く。
まとめ
「Let Me Try Again」は、フランス発の旋律美に英語詞の普遍性が融合したバラードであり、失った愛に対する誠実なリクエストを描く。確定的な初出情報は情報不明ながら、Sinatraの名唱を契機に国境を越えて定番化。親密なデュオ編成から重厚なオーケストラまで映える柔軟性が、今日までの生命力を支えている。