あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Hallelujah I Just Love Him So

  • 作曲: CHARLES RAY
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Hallelujah I Just Love Him So - 楽譜サンプル

Hallelujah I Just Love Him So|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Hallelujah I Just Love Him So」は、Ray Charlesの「Hallelujah I Love Her So」(1956)を女性ボーカルが歌う際に用いられる題名・歌詞差し替え版。作詞作曲はRay Charlesで、R&Bとゴスペルの融合を先導した初期ソウルの代表曲として知られる。原曲はAtlanticからシングルとして発表され広くヒットし、以後ジャズ/ポップ界でスタンダード化。本稿では女性視点の題名を扱いながら、楽曲全体の特徴と受容史を解説する。

音楽的特徴と演奏スタイル

ゴスペル・テイストのコール&レスポンス、12/8系のシャッフル・フィール、ブルース進行を基調とした和声が核。ブラスのリフとストップタイム、手拍子やクワイア的応答が高揚感を生む。ヴォーカルは自然なスウィングとフェイク、終盤のアドリブで熱量を増すのが定石。女性版タイトルへの置換は歌詞の代名詞が中心で、和声やフォームは原曲と同一。テンポは中速〜やや速め、鍵盤やホーン主体の編成が好相性だが、小編成のジャズ・コンボでも映える。

歴史的背景

1950年代半ば、教会音楽の感情表現を世俗のR&Bへ接続したRay Charlesの革新は、後のソウル誕生を方向づけた。本曲はその象徴で、説教的な語り口とブルースの親しみやすさを兼備。女性歌手が取り上げる際に「…Him So」へと代名詞を替える運用が早くから広まり、ジャズ・クラブでも好まれる定番となった。放送やツアーでの演奏を通じて国際的に普及し、世代やジャンルを越えて受け継がれている。

有名な演奏・録音

出発点はRay Charlesのオリジナル・シングル(1956)。女性版題名としての普及にはPeggy Leeの録音がよく知られる。さらにThe Beatlesが結成初期のレパートリーに取り入れたことでも注目度が上がった。Stevie WonderはRay Charlesに捧げたアルバム「Tribute to Uncle Ray」(1962)で取り上げ、若き日の名唱を残している。このほか多数のジャズ・シンガーやビッグバンド、スモールコンボにより定番レパートリーとして継承されている。

現代における評価と影響

本曲はR&Bとゴスペルの語法をポップ・ソングに落とし込んだ先駆例として音楽史的評価が高い。ジャズ/ポップ双方の現場で歌い継がれ、ヴォーカルのタイム感やダイナミクスを学ぶ教材曲としても定評。男女で代名詞を入れ替えやすい柔軟性は、ライブの現場適応力を高めている。配信時代でもプレイリスト常連のスタンダードとして定着し、初心者から上級者まで幅広い層に演奏され続けている。

まとめ

「Hallelujah I Just Love Him So」は、Ray Charlesの革新性を凝縮したゴスペル由来のR&Bナンバーであり、性別に応じた題名差し替えを許容することで普遍的なスタンダードとなった。シンプルな進行に豊かな表現余地があり、時代を越えて更新され続ける生命力を持つ。初学者のレパートリーにも、熟練者のショーケースにも耐える懐の深さが、その人気を支え続けている。