Jackson 5
I Want You Back
- 作曲: GORDY JR BERRY,MIZELL ALPHONSO JAMES,PERREN FREDERICK J,RICHARDS DEKE

I Want You Back - 楽譜サンプル
I Want You Back|歌詞の意味と歴史
基本情報
「I Want You Back」はジャクソン5のブレイクスルー作で、作曲はGORDY JR BERRY、MIZELL ALPHONSO JAMES、PERREN FREDERICK J、RICHARDS DEKEの4名(通称The Corporation)。1969年にモータウンから発表され、マイケル・ジャクソンの澄んだ少年ボーカルと、跳ねるベース、ピアノのリフ、ストリングスが重なる軽快なサウンドが特徴。明快なフックとダンス可能なグルーヴで、シングルとして世界的に知られる代表曲となった。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す通り、別れた相手に「戻ってきてほしい」と切実に嘆願する内容。過ちを認め、相手の価値に気づいた語り手が、もう一度チャンスを求める物語が一人称で展開される。若さゆえの直情と純粋さが前面に出ており、悲嘆に沈まず前向きに取り返そうとするエネルギーがサウンドと共鳴。反復するコーラスが感情の高まりを支え、聴き手の記憶に強く刻まれる。
歴史的背景
本作は、モータウンが新星ジャクソン5を世に送り出すために結成したソングライターチーム、The Corporationの戦略的な第1弾。キャッチーなメロディと洗練されたプロダクションで、ポップとソウルをまたぐ“モータウン・ポップ”の黄金方程式を体現した。シングルは米ビルボードHot 100で1位を獲得し、続く「ABC」「The Love You Save」「I'll Be There」へと連なる快進撃の起点となった。
有名な演奏・映画での使用
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)で印象的に使用され、エンディングの愉快な場面と共に新世代の観客にも浸透。ライブやカバーも多く、Lake Street Diveのカバーなどが話題を呼んだ。ダンスコンピやテレビ番組、CMでも定番的に選曲され、イントロの数小節で空気を一変させる“場を明るくする曲”として重宝されている。
現代における評価と影響
発売から半世紀を超えてなお、多数の“史上最高の曲”リストに選出されるなど評価は揺るがない。ボーイズグループの原型を示し、ポップ×ソウルの融合モデルを確立。タイトなリズムセクション、明瞭なコール&レスポンス、エモーショナルなハイトーンという構成は、後続のポップ/R&B作品の定石となった。クラブでも家庭でも機能するユニバーサルな強度を保ち続けている。
まとめ
「I Want You Back」は、切実な恋の後悔と再起のエネルギーを、モータウン流の洗練で普遍的な名曲へ昇華した作品。一度聴けば忘れないフックと、若きマイケルの表現力が合致し、時代を超えて愛される理由を明快に示す。入門にも再発見にも最適な、ポップ・ソウルの金字塔である。