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Hello Young Lovers

  • 作曲: RODGERS RICHARD
#スタンダードジャズ
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Hello Young Lovers - 楽譜サンプル

Hello Young Lovers|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Hello Young Lovers は、作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマースタインIIによるミュージカル『王様と私』のための楽曲。1951年のブロードウェイ初演で、主人公アナ・レオノーウェンズが歌う重要曲として位置づけられました。歌詞は若い恋人たちへ寄り添い、過去の愛を静かに回想する内容で、成熟した共感と優しい眼差しが魅力。舞台・映画を越えてスタンダード化し、ジャズやポピュラー分野でも広く歌われ続けています。

音楽的特徴と演奏スタイル

穏やかなテンポのバラードとして知られ、滑らかな旋律線と語りかけるようなフレージングが要。呼吸を生かしたルバートの導入や、弱声からクライマックスへ向けたダイナミクス設計が効果的です。ジャズ解釈ではテンションを含む再和声化やキー変更も行われ、ピアノ・トリオからビッグバンド、弦を伴うオーケストラまで編成は自在。歌唱では言葉のニュアンスを細密に乗せる“ストーリーテリング”が重視され、器楽演奏ではフリューゲルホルンやテナーサックスによる温かな音色が好まれます。

歴史的背景

『王様と私』は19世紀のシャムを舞台に、英国人教師アナと王の交流を描く作品。Hello Young Lovers はアナの内面を照らすソロとして構成され、物語の情感に深みを与えます。1951年の初演成功に続き、1956年には映画版が公開され、劇中での位置づけとともに楽曲の知名度も一気に拡大。以後のリバイバルや各国公演を通じて、楽曲はミュージカル・レパートリーの定番へと定着しました。

有名な演奏・録音

ブロードウェイ初演ではガートルード・ローレンスが歌い、1956年の映画版ではデボラ・カーの歌唱をマーニ・ニクソンが吹き替えました。1992年のスタジオ・キャスト盤ではジュリー・アンドリュースが収録し、舞台の主要キャストによる解釈を時代ごとに更新。さらに1996年のブロードウェイ・リバイバル(アナ役ドナ・マーフィー)や2015年のリンカーン・センター版(アナ役ケリー・オハラ)でも中核曲として上演され、高品質録音・映像資料が残されています。ポピュラー/ジャズ分野の網羅的な録音一覧は情報不明。

現代における評価と影響

上質なメロディと誠実なメッセージ性により、Great American Songbookの一角として定評を獲得。音域・情感表現のバランスが良く、声楽やミュージカルの教育現場で教材としても扱われます。ジャズ歌手によるバラード・セットの定番曲としても息長く選ばれ、コンサートやガラ公演での採用頻度も高い作品です。時代や文脈を超えて“他者への共感”を描く普遍性が、今日の聴き手にも響き続けています。

まとめ

Hello Young Lovers は、舞台物語に寄り添う抒情性と、スタンダードとしての柔軟性を兼ね備えた名曲。ミュージカルの核を成すドラマ性と、ジャズ/ポップへ開かれた器の大きさが魅力で、初演以来、世代を超えて歌い継がれてきました。入門は映画版や主要リバイバルのキャスト録音、次にジャズ/ポピュラーの多様な解釈へ広げるのがおすすめです。