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I'm Sitting On Top Of The World
- 作曲: HENDERSON RAY

I'm Sitting On Top Of The World - 楽譜サンプル
I'm Sitting On Top Of The World|楽曲の特徴と歴史
基本情報
本曲はRay Henderson作曲、Sam M. LewisとJoe Young作詞による1925年のポピュラー曲。のちにジャズでも広く演奏され、現在はスタンダードとして定着。タイトルが酷似するカントリー/ブルースの「Sitting on Top of the World」(Mississippi Sheiks, 1930)とは別作品である。初演や舞台での導入経緯は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
明るい長調感と跳躍を活かした歌いやすい旋律が特徴。軽快なシンコペーションと朗々としたサビが高揚感を生む。ジャズでは中〜速テンポの4ビートで取り上げられることが多く、ブラスのパンチやコール&レスポンス、転調を伴うエンディングなど多彩なアレンジに適応。インストでは簡潔な主題がアドリブ展開の土台となる。
歴史的背景
1920年代ティン・パン・アレー黄金期に生まれ、レイ・ヘンダーソンはルイス、ヤングとの名トリオで数々のヒットを残した。本曲もその系譜にあり、陽気な都会的ムードがダンスバンド時代の空気と合致。アル・ジョルソンの録音(1926年)が普及を後押しし、放送やレコード市場で広く親しまれた。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、アル・ジョルソン(1926年)、レス・ポール&メリー・フォード(1953年)、ディーン・マーティン(1950年代)、フランク・シナトラ(1960年代)などが知られる。スウィングからイージーリスニング、モダン寄りの小編成まで、編成や解釈の幅広さが本曲の懐の深さを示している。
現代における評価と影響
今日でもビッグバンドやコンボのレパートリーに残り、コンサートやステージのオープナーとしても好まれる。明快なメロディと分かりやすい和声進行が、ジャズ入門者にも親しみやすい一方、テンポやキーを変えるだけで表情が変化し、熟練演奏者にとってもアレンジ妙味の大きいナンバーである。
まとめ
「I'm Sitting On Top Of The World」は、1920年代ポップの歓喜を体現しつつ、時代を越えて演奏されるジャズ・スタンダード。出自の詳細に不明点は残るが、数多の名唱・名演により、今も明るく前向きなショウ・チューンの代表格として輝き続けている。