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In A Little Spanish Town

  • 作曲: WAYNE MABEL,YOUNG JOSEPH
#スタンダードジャズ
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In A Little Spanish Town - 楽譜サンプル

In A Little Spanish Town|楽曲の特徴と歴史

基本情報

In A Little Spanish Townは1926年発表のポピュラー・ソング。作曲はMabel Wayne、作詞はSam M. LewisとJoe Young。副題“Twas on a Night Like This”でも知られる。後年はジャズ・スタンダードとして広く演奏され、ヴォーカル曲としても器楽曲としても定着した。初出の媒体や初演者、邦題は情報不明だが、当時のダンス・バンド文化の中で人気を博したことは確かである。

音楽的特徴と演奏スタイル

歌いやすい旋律と明確なコーラス構成が魅力。スウィングの4ビートで中〜速テンポ、あるいはルンバ/ハバネラ風の“スペイン情緒”を取り入れたラテン寄りアレンジが定番となっている。ヴォーカル・コーラスの後にホーンやピアノのインプロヴィゼーションを回し、再現部でまとめる構成が一般的。正式な曲形式や原調は情報不明だが、メロディはレンジが適度でアドリブへの橋渡しがしやすい設計である。

歴史的背景

1920年代のティン・パン・アレーでは、アメリカ流の“Spanish tinge”を帯びた楽曲が人気を集めた。本作もその潮流の中から生まれ、ダンス・バンドからスモール・コンボまで幅広く採用される。作曲家Mabel Wayneは同時代のポピュラー様式に、異国情緒を連想させる要素を巧みに織り込み、歌と踊りの双方に適した楽曲に仕上げた。出版会社や初演の詳細は情報不明。

有名な演奏・録音

もっともよく知られるのは、1926年のPaul Whiteman楽団によるヒット録音で、当時の全米ダンス・バンド・シーンを象徴する一曲となった。以後、ビッグバンドやジャズ・シンガー、伝統派ジャズ・コンボがレパートリーに加え、スウィング解釈とラテン風アレンジの両軸で録音が重ねられている。個別の映画での顕著な使用は情報不明だが、ラジオやダンスホールで定番化し、広範に浸透した。

現代における評価と影響

本曲は今なおトラッド〜スウィング寄りのセッションで取り上げられ、歌伴から器楽合奏まで幅広く対応できる“実用的スタンダード”として評価される。ラテン・フィールを交えた伴奏やブラスの対旋律づくりの教材としても有用。米国では1926年発表作品の多くが2022年に公有化しており、本作も該当する可能性があるが、国や版権の状態により扱いは異なるため、利用時は最新情報の確認が推奨される。

まとめ

スペイン風味の情緒と歌心が調和した、時代を超えるスタンダード。細部の来歴に情報不明な点はあるものの、ヴォーカル曲としての親しみやすさと、器楽的な展開のしやすさが共存する設計が、今日まで演奏され続ける理由といえる。